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ランスのシャンパングラスLRT

10 10 2013 | Actualités ブログ記事, LRT, Reims ランス

  • 2011年4月に開通し、シャンパングラスの形をたどった表情を持たせたことで一躍有名になったランス市のトラムは、フランス都市交通経営としては画期的なコンセッションと呼ばれる(建設から運営までの民間への譲渡)形式を取っている。(ちなみランス市を中心とするシャンパーニュ地方ではフルコースの食事をすべて、シャンペンで味わう。もちろん食事の内容に沿って、シャンパンも3から4種の違った味のものを嗜むという、徹底したシャンパン国。シャンパングラスのことをフランス語でFluteと言い、LRTの正面の形はフランス人には間違いなくFluteを想起させる)(ランス市のLRT車体・アルストム社シタディス302・には9色のバリエーションがある。下写真はMr.T SATOご提供)

  • 上下分離にはいくつかのタイプがあるが、この民設民営の契約発足は2006年7月。ランス市の公共交通管轄当局であるAOTPはマルス(MARS=Mobilité agglomération rémoise)社に、バスとトラムを含む公共交通導入の開発、建設、オペレーションを含む35年にわたる業務を依頼した。投資分担はMARS社が長期にわたるインフラ開発者として30%、車両メーカーであるアルストム(Alstom)社が17%、民間の交通サービス事業体であるトランスデヴ(Transdev)社が17%。投資総額は4億1300万ユーロ。このうち1億7400万ユーロが交通税で賄われ、国が4530万ユーロを補助する。(ランス市の人口約19万人。 LRT線路距離11,2Km。 駅数23。 1日の利用者数42500人)
  • 日本でいわゆるPPP(Public-Private Partnership)と呼ばれるこのタイプの都市公共交通運営方式は、フランスでは2004年の法律で、民間会社が公共インフラに投資・運営すること(自治体をパートナーとし、利用者からの歳入を得る)が認可された。それに先立ち、1993年にはいわゆるサパン法(Sapin)で、公共自治体の代わりに都市交通を運営すること(PSD Public Service Delegation Agreement) いわゆる公設民営が認められていた。トラムを導入しているフランスの26の自治体の中で、このPPP形式を導入したのはランス市が始めてで、他には北西部のカーン市、ルーアン市が挙げられる。
  • 電停もすっきりとしたデザインのランス市のLRTだが、ただ一つ気になったことがある。このトラムが市街地の南西にあるTGVの駅にまで連結しているのは大変素晴らしいのだが、TGVの駅からトラム駅までのアクセスが、砂利を敷き詰めた屋根なしの坂道になっており、雨の折など重い荷物をかかえた利用 客の便宜を必ずしも図っているとは思えなかった。付近をみても他に渡り廊下は見あたらなかった。短期間の滞在であったので私も見落としているかもしれな い。違った情報をお持ちの方からのご連絡を待っています。

周りは完全な田園風景の中に、パリから東に伸びるTGV線のためにのみ新設された駅。駅前のアクセスは車のみ。そしてTGV駅を背後にして撮ったLRT電停。普通に歩いて5分はかかる。徹底して利用者の便宜 を図る公共交通導入を進める自治体が多い中で、なぜLRT電停をもっとTGV駅に寄せて敷設しなかったのか、疑問。

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