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  • TEOR【ルーアン東西交通・という意味】と名付けられたBRTの3路線が2001年から運行されている。なぜLRTを延長せずに、ルーアン市はBRTを他都市に先駆けて導入したのか?

    バス停でもTEORと明記、普通バス路線と違った位置づけ

 

  • まずルーアンの地形上、人口密度の高い処から都心部につなぐ路線では登攀力を持った交通手段が必要であった。1996年に当時のルーアン都市共同体CREAが行なった入札の際には応札が4件あったが、この中には実はBRTは含まれていなかった。それぞれ応札4件には技術的な難点があった為に、1997年に都市共同体は、自前の解決策としてBRTを議会に提案した。ここで予算獲得のために議員を説得するキーワードは「LRT南北路線と同じクオリティーを持ったバスサービス」であった。公金で整備、運営する交通手段なので、住居する界隈によって供給する新規公的サービス(都市交通は公共サービスの一つととらえられている)の質を極端に変えることは出来ない。2001年にはBRT第一路線が開通し、2007年に至るまでに路線距離29.8Km、駅数53まで延長してきた。ラッシュ時には2分間隔、通常は3分間隔で運行しており、一日に57000のトリップがある。
  • さて、ルーアンのBRTはフランスのメソッドに従って、(フランス環境省によるBRTの定義については https://www.fujii.fr/?p=3269 をご覧になってください】 「インフラ」「車輌」「運行サービス」の3つのクライテリアに沿って紹介したいが、何といってもルーアンBRTの特徴は光学ガイド方式(シーメンス社開発)の採用なので、「車輌」から述べたい。
  • ルーアンでは現在CREALIS Neo(Irisbus 社・イタリアIVECOの子会社)と呼ばれる特徴ある丸いデザインの車輌が38台と、従来の連結バスタイプのCITELISが27台走っているが、すべてのBRTサービスに搭載されている光学読み取りシステムは、電停に車体を5cm以内に接近させるバリアフリー対策として導入された。路上の白線をデジタルカメラで光学的に読み取り、車体の中のマイクロプロセッサーが「車輌フロントタイヤ主軸の中心が道路上の白線ラインの中心に合致するように」計算する。電停に接近する時のみ自動ステアリングになるので、停留所に近づくと運転手はハンドルから手を放す。ただし、再びハンドルに触るだけで自動システムは解除されるので、突然人が飛び出した時などのバスのコントロールが出来、いつでもマニュアル運転への切り替えが可能。読み取り機はバスのフロントガラス上方或いは裏側に搭載している。停留所の前後30mからのみ光学読み取りシステムを稼動させるが、停留所とバスの間隔は5cmとして95%の成功率がある
  • 道路上の白線に関しては、1年に一度の塗り替えが必要だそうだ。バスは白線3セット(50cmX3  ・ 白線と白線の間隔が50cmで合計3m)を読み取る。ちょうどこの道路上の白線ライン【特殊ペンキ】の塗り替えをしている場面に出会った。
  • 白線2本の間の中心線上を歩いている

    • ルーアンは、一般の観光客にはルーアンはジャンヌダルク終焉の地としても有名で、旧市街には大聖堂、教会が多く、とても美しい古都でもある。一見地味な感じがするが、一般の人が退社する5時から、店舗が閉店する7時まで、まちの中心地は大変な人出であった。ただ、まちの中心地(大聖堂付近にまで)にかなりの車が走行しているために、ストラスブール市のようなゆっくりと歩ける雰囲気がある区域は限られている。BRT 専用レーンもどんどん一般車が横断するので、気を許して散策はできない。では次ぎはその専用レーンに代表されるインフラ要素について。

    インフラ・お洒落なバス停・しかし専用レーンの至る処を一般車が横断するので要注意

    どんどんバスが発着するBRT、路線バスの結節点駅の一つ

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