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ナントの総合的交通政策 5

02 03 2015 | Actualités ブログ記事, Bicycle 自転車, Nantes ナント

  • 思い切った自転車道路整備の試み BICLOO

さて、ナント市も例に漏れずレンタルサイクルに力を入れているが、街の中ではそれほどこの赤い自転車は目につかない。100のレンタルステーションを儲け、850台のセルフサービス【パリのベリブ方式】自転車を供給しており、最初の30分間利用は無料。年間パスは29ユーロで、1日利用は1ユーロ。ただクレジットカードで150ユーロのデポジットを納める必要がある。この他には大学キャンパスで300台のレンタルバイクを供給している。駐輪所の整備も進んでおり、8000の駐輪アーチ、パークアンドライドには831台の駐輪アーチがある。 またナントは、自転車ライダーに有名な「ロワール河自転車道路50Km」の出発地点でもあり、ここからロワール河に沿って見事に整備された自転車専用道路で、河川沿いのお城を楽しみながら長期サイクリングができる欧州自転車ネットワーク800Kmの一環を成している。しかし、私がナント市で驚いたのは、都心で非常に思い切った自転車道路を一部整備していたことだ。広い道路に、公共交通レーン、中央に自転車専用レーン(しかも双方向)そして残ったスペースに自動車道路という設定を見た。この配列はなかなか珍しい。

車が入ると自転車をはさむ形になる

フランスの各都市で増えてきた、自転車専用の信号待ち場所。車の前に自転車が陣取る

別の道路では舗道の間の道路に、車の一方通行・自転車双方向、公共交通一方通行という空間配分。しかし自動車レーンに歩行者がいた

ナント市では1989年に東西LRT線完成のあと、南北LRT線(1995年に完成した)のために1991年に合意形成を行った。その際に、すでに「都市空間をLRTだけにではなく、歩行者空間、自転車専用道路、植樹帯、都市ファーニチャーなどと共有する設計」が示されていた。都市照明、雨避けシェルター、舗道のデザイン等の統一性を図るために同じアーキテクトに、都市デザインが委託された。そのこの2路線完成後に、国の方針に従い1995年に発表したLOTI報告書によれば、ナント市内の14万平方メートルが都市空間再編成を経て「歩行者と自転車を最優先する空間」に再整備された。しかし、人口密度がそれほど高くないナント市では、駐車が比較的簡単なこととあいまって、通勤には自家用車を利用する人口が多く(全移動に占める自動車利用率42.5%)、自転車利用率も4.5%とまだ低率だ。今後都市のスプロール化を避けるためにも、都心の【ナント中の島】の住宅企画などが注目を浴びている。

現在フランスの州政府が運営する地方都市間を移動する鉄道TERで普遍的な自転車置き場

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