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  • 2002年から実施されているパリ・プラージュ【パリ・ビーチ・セーヌ川岸の自動車道路の一部を歩行者空間に開放】は、当時の社会党・環境保全推進派パリ市長の元に進められ、コスト高を野党から批判されながらも、毎年続いている。人件費、遊戯道具、椅子、椰子の木、約6000トンの砂などの整備等で、2013年度コストは150万ユーロ(2億円!)だったが、年間400万人近いビジターがあるといわれている。ちなみに2009年には60%近くが、スポンサー、出店したカフェ、キヨスク(雑誌や小物販売店)などからの支払いで賄われた。 【写真下・今年のパリビーチ】
  • タクシーの運転手はパリ・ビーチで迂回を余儀なくされた車が、セーヌ川対岸の左岸のサンジェルマン通りに溢れるだけで、『環境に貢献するなんて嘘っぱちだ』と言うが、しかし、元来7.8月にはパリ市住民人口は半分以下になり車の通行量全体が減少するので、自動車道路3.5Kmをビーチに変換することも可能になるわけだ。バカンスに出てしまったパリジャンに代わるようにパリに来る観光客にとっては、セーヌ川ほとりを徒歩で散策できるのは嬉しいことだろう。

    夏の間の若者の雇用対策にも。パリビーチのお世話係の人たちのTシャツも分かりやすい

    • さて、今年の右岸のパリ・ビーチには『事前協議』のパネルが張ってあった。【写真下】

    • パリ市はすでに2012年からセーヌ川左岸の川沿いにあった元自動車道路2.3Kmの歩行者専用空間化に成功している。【下の地図の赤い色の部分】この2年間でセーヌ左岸の車道から歩行者空間に整備した川岸スペースには400万人の訪問があったとパリ市役所は発表している(入場料があるわけではなく、普通の歩行者道路なので、多分通行調査からの推測値)。

  • 今度はセーヌ川右岸も歩行者空間に整備する企画を発表しており、その計画施行の一貫としてのPIとしての資料が上のパネルで紹介されている。事前協議の目的は、1.5Kmを対象にするか、もっと長く3.3Kmを思い切って歩行者空間化するか、を市民に問うためである。協議の期間は6月22日から7月31日までとされており、今年の11月には市民の声などをまとめた合意形成報告書が作成され、議会に提出。それを受けて、さらに計画内容を練ったものを、改めて市民に発表し、有識者から成る委員会に計画の公益性の判断をゆだねる『公的審査』が2016年の9月。できれば2016年8月には道路を閉鎖する予定で、何ともテンポが速い。

    • このセーヌ川岸の道路はパリ市内を東西に横断する際に大変便利な道路で、東京の真ん中の自動車用道路を2Kmや3Km閉鎖するなんて、多分日本の人には想像もできないだろう。 パリ市長の言葉には、『呼吸できる空間の提供』『バスティーユ広場からエッフェル塔まで歩いて楽しめる動線の確保』、『川岸にはソフトのモビリティーを』『生物的ダイバーシティの発展』【植樹や公園整備】『経済活動の発展』【レストラン・カフェ・プールなどの進出】『観光拠点としての価値の向上』が述べられている。ちなみに現在のパリ市長も社会党、スペインからの移住者を両親に持つ女性である。ダイバーシティという言葉も頭を横切る。

     

    • また今年は『ちびっ子のためのヴェリヴ』と称して、子供たちが貸し自転車を楽しむコーナーも設けられている

    ヴェリヴ・コーナーの隣にはこんなお洒落なお絵書きコーナーも。

    様々な利害や意見が交錯するが、しかし只 単純に一市民としては、セーヌ河畔を歩けるのは楽しいし、またこういったまちづくり【自動車道路から歩行者優先へ】が出来る仕組みと政治は素晴らしいと思う。

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