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パリに進出した「free floating」シェアリングバイクNo1

16 01 2018 | Actualités ブログ記事, Angers アンジェ, Bicycle 自転車, Paris パリ

[:ja]

  • 最近アンジェ市の街角で、お洒落な自転車が止まっているのを目にするようになった。
  • 20171026_181414アンジェ市で、実験的に昨年度11月に導入された、PONY BIKE社のシェアリングバイク200台のうちの何台か。変速ギヤ無し、タイヤのパンクがないようにインナーチューブ無しなので、そんなに乗り心地が良いものではない。ハンドルにはスマートフォーンを置けるスタンドがあるが、荷物籠は無し。あくまでも街中での短距離移動用に、学生をターゲットとしたビジネスだ。利用方法はスマートフォーンで、アプリを起動させ、QRコードを読み取るボタンをタッチし、スマホのカメラを自転車に印刷してあるQRコードに向ける。これで自転車が解錠され、乗車できる。(以下の写真はPONY BIKE社のHPより)

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  • そして、利用したあとは、どこにでも放置でき、ロックするだけで良い。

Pony Bikeはロンドンに住む二人のフランス人がスタートアップした企業で、オックスフォードですでに200台投入している。アンジェ市もオックスフォード市のように、小さな面積に学生人口が多いので、シェアリングバイクのマーケット性が高いと思われたわけだ。盗難を防ぐ為に、自転車パーツの一切が、普通の自転車には適用できないデザインになっている。使用料は30分で80サンチーム(約110円)、一ヶ月の登録料は19ユーロ(約2500円)。このビジネス参入には、自治体の補填は全くないが、PONY BIKE社は、地元の失業対策活動を行うNPOと協約を結び、アンジェでの自転車の組み立て業務が、失業者に就労の機会を与えることになっている。このあたりの取り組みが、中国のシェアリングバイク・ビジネスと一線を画するところだ。

  • アンジェ市ではパリのVelibのような、シェアリング自転車を2015年までは設置していた。 しかし決まった駐輪ポートに自転車を戻さなければならないこのシステムは、自治体には1年につき、1台当たり3000ユーロ(約40万円)かかるといわれ、採算が取れるには、一日にかなりのローテーションで利用される必要がある。だからアンジェ市ではシェアリングバイクは中止して、従来の「1年間無料レンタル自転車」サービスを、市役所の交通政策部が行っている(つまり税金から、自転車レンタルの予算を捻出している)。下記写真はLRTの、モックアップと一緒に展示されている、アンジェ市のレンタルバイク。ラスト1マイルの問題を解消するので、公共交通と相性のいい自転車利用をアッピールしている。これは非常に乗り後心地が良い自転車だ。
  • 写真10 DSC07922
  • 写真11 DSC04512街角には、自転車貸し出しをするオフィスが駅前にあり、LRTの7色の虹色とカラーを統一させて、自転車利用をアッピールしている。このように自治体が自転車利用政策を主導しているフランス、欧州の都市にとっては、中国を中心としたシェアリングバイク・ビジネスの侵入は、一種のカルチャーショックでもある。フランスで身近な存在になったシェア自転車に、モバイル決済の仕組みを付加することによって、抜群の相乗効果を生み出した「何処にでも自転車を停められるサービス」というのは画期的だ。フランスには昨年度末から、このサービスが上陸を始めた。従来のシェアリングバイクシステムと区別するために、欧州では「free floating」バイクと名付けられてている。
  • 中国で話題になったシェアリングバイクの過当供給は、テンセント「MoBike」社とアリババ「ofo」だけが残ったといわれている。北京のサイクリングクラブの2人の大学生が2014年に始めたOfoは、現在1000万台のシェア自転車を世界80カ国の200の都市で展開している。欧州ではイギリスの3都市。自転車は黄色。
  • MoBikeは800万台のシェア自転車を世界の200の都市に配布しており、欧州ではイギリス、イタリアや、オランダに進出している。どちらも桁違いの自転車数だ。
  • またシンガポールで2016年に生まれたoBike社は、昨年9月からドイツのミュンヘンに7000台を投入した。同市では、それ以前は2つのレンタル会社が合わせて2400台を支給していた。何処にでも停められるサービスなので、駅付近に無秩序に自転車が駐輪され、欧州全体の都市で危機感が増し、中国で大量に放置されたシェアリングバイクの写真もSNSで出回った。アムステルダムでは新しくビジネス参加するレンタルバイク企業に対して、新規の規制法が整備されるまでは営業を禁止した。このoBike社も、昨年度11月6日にパリに500台ほど投入した。自転車は黄色・オレンジ、グレイ。
  • 同じく2016年春に、香港で1万台の自転車でビジネスを始めたGobee.bike 社は、フランスではすでに、リール・パリ・ランス市で2017年後半に、7万人のユーザーがアプリをダウンロードした利用した。パリには2017年の10月に2000台が投与され、鮮やかなライトグリーンのカラーには、目を奪われる(パリ・モンパルナス駅地下駐車場に停められたGobee.bike 社の自転車。)
  • 20171225_210937パリのイダルゴ市長は、昨年度の11月16日にこういった業者を召還し、放置自転車と壊れた自転車の処置について問いただした。さて、そのパリではVelibを巡って、大きな変化が今現在進行中だ。だからこういったアジアからの新しい自転車サービスの供給は、営業的にはベストタイミングにパリに投入されたともいえる。【続く】

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