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LRT’s energy consumption

5月12日枚方市での講演会のあと、平野博文文部大臣の枚方市事務所に勤務の方から、以下の質問をメールでいただきました。皆さんと情報を共有していただくために、その一部を掲載させていただきます。

御質問・ 1点目はフランスは原発が主なエネルギー源としている国ですが、トラムの電気使用量は市の財政に負担をかけていないのでしょうか。

コメント

  1. トラムではなく、地下鉄が走っていたとしても、電気は必要ですので、私が10年間ストラスブールにいた間に、トラムの電気使用量に特化しての話題や、懸念は聞いた記憶がありません。
  2.  車を放置していれば、市のトラムに対する電気使用量への財政負担がなくても、車渋滞からの汚染対策などで、市行政に負担がかかっていたはずだ、というのが、トロットマン元市長のご意見でした。
  3. 交通とエネルギーに関しては、ストラスブールでは2010年時点で109台の液体ガス搭載の市バスが走っており、導入が1997年で環境問題への取り組みが早かったといえます。
  4. また、OECD/IEA ENERGY PRICES & TAXES 3rd Quarter 2009 「2010エネルギー白書」などを見ても、日本の電気料金が産業用、家庭用、ともにフランスの約2倍の価格であることは周知の事実です。
  5. もし、正確な電気使用量の市財政への負担額などが必要でしたら、調査のお時間をください。なぜなら、ストラスブール都市共同体の予算分配図の中には、エネルギーコストが含まれていませんので、それぞれのカテゴリー(交通や都市整備)の中に併合されているものと思われます。

御質問・            2点目はストラスブールでのトラム導入で周辺の市もまた導入に向けて検討したり、興味を示したりしているのでしょうか。

コメント

  1. 答えはYESです。ストラスブールから150Km北にあるナンシー市では、2000年にゴムタイヤトラムを導入(路線11.1Km)。ちなみにナンシー市は金沢市と姉妹都市提携を締結して今年で37年になります。
  2. ストラスブールから120Km南にあるミューリューズ市では2006年に16.2Kmのトラム路線開通。開通式には時のシラク大臣まで参加しました。ミューリューズ市も、ストラスブール市と同様、広域自治体を構成して、公共交通路線を管理、運営しています。
  3. ストラスブールの東は、ドイツとの国境線になるライン川が流れています。現在対岸のドイツ側の自治体ケール市まで、トラム沿線の延長工事中です。開通予定は2015年。
  4. またストラスブールの西にはボージュ山脈が位置し、近隣の都市と呼べる人口の多い自治体はありません。講演でお話したように、36600の行政単位のうち、36000が人口1万人以下の地方自治体ですから、近隣は小さな自治体で構成された村落地域が主です。