ページを選択

Question at the prefecture 3

  • 質問3. 『この車社会に、公共交通導入を成功させるキーワードは何だろう』 新しいものを導入する、それが必要だと前提して、データも県民に提示しているが、沖縄県民自身が、車の利便性に慣れきってしまって渋滞問題の深刻さを自覚していない。新しい視点を持ってもらい、モータリーゼーションの弊害を県民に考えてもらうには、どうすればいいだろうか?

キーワードは「車との共存」、と 「利用者のニーズに沿った総合的な交通プランを考える」。トラムにこだわらず、バス、自転車、歩行者優先道路、駐車対策とグローバルに都市交通政策をみる。

ヒステリックに車を排除するのではないが、「都心にはできるだけ公共交通で行こ」うと、市民に啓蒙してゆくことが重要。あくまでも、都市郊外の点と点を結ぶのは車。「車が必要なときにどのように使うのか?車を持っている人も都心に来れるのですよ。でもできれば都心では車を使わずに、都市空間を住民みんなでエンジョイしましょう。」というメッセージを発する。 市外から来た人たちが公共交通に乗りやすいような、車との結節を整備する。しかし、ストラスブールでも都心での車走行規制は最初はかなり困難であった。 今から20年前である。 大きな反対活動もあった。 そして何よりも、トラムを導入した事業者自身たちが、こんなにトラムが上手く車と併用できるとは想像していなかったのも事実だ。

  •  質問4. 「トラムは車よりも早く走らねばならない」。とはどういうことか?

これはあくまでも都心での話しです。郊外の点と点の経済活動は車が支える。フランスも自動車産業大国、決して車をないがしろにした交通政策はたてられない。以下、ストラスブールの現職市長リース氏の言葉から。

「まさに20年前からグローバルにまちづくりとタイアップさせながら、一貫性のある交通政策を採ってきた事実が成功の要因だと思います。少しづつ実施するのではなくトラム導入とともに、全体的にドラスティックな政策を実施しました。分かりますか?トラムそのものは中立的な交通手段です。ですからトラムをただ開通させただけでは、都市交通問題の解決につながりません。一方トラムのような高額の投資を一介の地方都市が行ったからには、どうしても成果をあげる必要がありました。わたしたちは「トラムに競争者を残してはいけない」、つまり「トラムにチャンスを与える」ことを重視しました。ドアツードア(ドアからドアまで)移動が出来る車に勝つには、パークアンドライドなどの仕掛けが必要です。一連のそういった工夫が、出来るだけ都心では車を規制する全体的な政策につながったわけです。」