ページを選択

ナントの総合的交通政策1

26 01 2015 | Actualités ブログ記事, LRT, Nantes ナント

Grande Mere 「おばあちゃん」と親しみをこめて呼ばれている旧路面電車の車輌

特別なイベントの際にはまだ走行可能とのこと

  • ナント市では1958年に戦前から走っていたトラムが廃止されたが、ストラスブールに先立つこと9年、すでに1985年に近代的トラムを導入し、フランスでトラムを復活させた最初の都市となった。今でこそFRENCHWAY TRAMは有名だが、当時はトラムに関する技術的なノウハウも国の規制も何もなかった。フランス中から採用された交通エンジニアたちが、政府とアルストム社が検討した新型路面電車の導入プロジェクトに着手した。(詳しいいきさつは「ストラスブールのまちづくり」29頁を参照してください)。事前協議も「ナントのトラムに乗って移動時間を短縮しよう」という何ともしおらしいキャンペーンがあったのみである。
  • 当時は戦前の旧型路面電車のイメージがまだ濃厚に残っており、トラム工事の最中に行われた市長選挙では現職は敗れてしまい、1985年にトラム開通式は雪の中、ひっそりと行われたそうだ。

    15世紀建造のブルターニュ大公城とLRT

  • しかし、交通事業者(1979年設立・自治体の第3セクター)であるTAN (ナントの都市交通の営業名)は 「まちをつくることが、わたしたちの仕事です 」というスローガンを掲げて、今から30年も前に、交通まちづくりに対してかなり未来的なビジョンを持っていた。そしてかつては海外貿易で栄えたナント港町の雰囲気を出すためにCOMMERCE駅のデザインを施し、トラム導入当初から「交通と共に進める都市景観整備」という考え方をすでに導入していた。

    開放的な空間設計のCOMMERCE駅。交通結節拠点の一つでもある

    とてもお洒落なLRT電停とその背後のBRT停留所

  • その第3セクターSEMITANを訪れた。1690人の従業員を抱える。現在では43Kmのトラム3路線とBRT1路線があり、「ストラスブールのまちづくり」と同じように、「ナントの試み」というような十分に一冊の本が書けるくらいの充実した様々な都市交通の試みをこの40年間行ってきた。このブログでは出来る限りこの都市の魅力を伝えられるように、写真を多く紹介しながら、ナント市の総合的な都市計画を何回かにわたって紹介したい。

広々として明るく働きやすそうな総合制御室

引き込み線路の向こう側が整備工場、手前はSEMITANのオフィス

作業員の楽な姿勢を考慮して、車体の下にも必ず作業場所が確保されている

カテゴリー

0コメント

コメントを提出

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です