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ナントの総合的交通政策 2

03 02 2015 | Actualités ブログ記事, LRT, Nantes ナント

  • ナント市も近隣の24自治体と都市共同体【人口58万人】を設立し、交通行政にあたっている。都市共同体が政策主体、第3セクが運行主体、という構図はストラスブールと全く同じである。1985年に導入したアルストム社のトラム車輌編成がまだ46編成走っているが、当時は完全低床車輌が存在しなかったので、プラットフォームと車底の間は62cmあり3ステップ踏んでトラムに乗るが、必ずスライドが出る車輌が編成にあるので、ベビーカーや車椅子も次の車種が来るのを待つ必要はないあと10年は現役で稼動させることができる 、との話を聞いた。LRT1985年開通時の利用者は44000人だったが4年後には65000人に達し、大変な成功をおさめた。その後、時代を追って路線距離が43Kmまで延長され、車輌も2000年にはボンバルディエ社の車輌を購入(現在は33編成)、2012年にはスペインのCAF編成を12編成購入している。これは今年開通したブザンソンでも導入された。だから、ナントに行くと現在3つの異なったタイプの車輌を見ることができる。

    いかにもフランス的な都市景観・CAF車輌編成

    一日にトラムだけで約27万トリップがあり(トリップ数ではストラスブールよりやや少ないが)、現在では線路距離、83という駅数からみてもフランスで一番規模が大きいLRT運行を行っている。

左がボンバルディエ製車輌、右がアルストム製旧車輌

  • ナント市の都市交通路線図【赤、緑、青色路線がLRT/黄色路線がBRT】
  • また、ナント市LRT電停にある数多くのピクトグラム【絵文字標識】が、大変印象的だったので幾つか紹介したい。

    左図・「一台のトラムの後ろにもう一台隠れていることがあります。」                            右図・「電話をしていたら、トラムが近づいて来る音が聞こえません。」

    日本とは交通文化?が異なるので、少し説明すると、フランスのどの都市でもトラムは通過する際に、やさしい鈴の音のような注意を促す音を奏でる(クラクソンというのはいささか語弊がある)。また都心ではトランジットモールが大半なので、歩行者はLRT線路を自由に横断しているので(線路上を歩いていることも普通に見られる風景)、上記のようなスローガンにつながる。また、フランスでは歩行者と自動車運転者、或いは自動車運転者同志のアイコンタクトが大変重要で、【余りよくないことだが、赤信号でも堂々と横断する歩行者もよく見かける】、たとえ信号があっても、右から来た車に先を譲る優先ルールがあっても、「あくまでも最終判断は自分の目で行う」、という交通行動が一般的だ。だから、たとえば停車しているトラム車輌の前を横断する時も、自分の姿がトラム運転手の視界に入っているかどうか、自分で確認することを進めている。

  • 左図・「トラムのクラクソンが聞こえたら、一旦止まります」                     右図・「線路に近づいたら、運転手 が私に気がついているかどうか確かめます」

 

夜が訪れたら、さらに気をつけましょう

非常に簡素で、分かりやすいくメッセージを伝える、という初期の目的を果たしながら、とてもお洒落で電停のアクセントとしてディスプレイされている。

トラムと事故については以下を参照なさってください。

沖縄県庁における講演での質疑応答から「トラムと事故」2012年

https://www.fujii.fr/?page_id=677 

滋賀県庁における質疑応答から「トラムと事故」2013年

https://www.fujii.fr/?p=2573

さて、次にはナント市のBRTをみてみよう。

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