ページを選択
  • 11月11日、平成25年度 第1回大津・湖南地域新交通システム検討協議会における関西大学経済学部 教授 宇都宮浄人 氏(大津・湖南地域新交通システム検討協議会副会長)のご発表『都市交通の戦略・戦術』~世界における都市交通の状況~と、当方の講演のあとに続いた質疑応答の様子をご紹介します。

宇都宮先生は、まず、日本の古色蒼然としたバスの乗り方、料金体制を海外での学会で説明されたことを紹介してから、海外では交通戦略のフレームワークとしてSTOが基準となるが、日本では民間が公共交通を経営してきたので、行政は【安全運行】の管理に集中してきた経由を説明されました。

Strategy  戦略=一般的目標   たとえば「 低炭素社会」をめざすなど。

Tactics  戦術=具体的にどういう交通政策を取るか?収益性、ターゲットとなる地域の設定

Operation オペレーション=運賃・事業形態・運行における企業との協力等、現場での運営

宇都宮先生のお話・「日本では戦略、戦術もないのが現状ではないか・・と思っています。海外ではプラットフォームがこのように進んでいるが、しかし欧州社会でも悩んでいる。車社会の中で、クルマ利用を減小させて公共交通を導入するために、様々な取り組みを行っている。

たとえばドイツでは日本と同じくすでに高齢化社会を迎えており、人口の4分の1が60歳以上だが、公共交通の利用者がドイツでは着実に増えている。滋賀県は人口が増えている日本では稀な自治体ではあるが、これから戦術をしっかりと設定しないと利用者は増えない。たとえば運賃は欧州で一般に導入されているゾーン制(都心から半円上にある一定の距離以内は、交通手段を問わず同一料金を適用。)などを紹介したい。

また、軌道系を増やすことによってバス利用も増えていることが読み取れる。たとえばアメリカの交通まちづくりで有名なポートランド市でも、LRTを導入して以来バス利用者もV字線で増えた。元来外出できなかった市民を、公共交通手段を重層的に充実させて、外に出してきた。

歩行者優先という戦略についてはウイーンの戦術を紹介したいが、電車車両アクセスのバリアフリー化のために、歩道の段差を高くした。このような工夫は今の日本でも出来ないわけではない。

クルマとの関連では、ドイツのドレスデンでカーゴトラムがある。フォルクスワーゲン社の工場と倉庫の間のパーツ運送のために、トラムを使い、「環境にやさしい企業」をアッピールしている。日本は自動車産業が大切な社会だから、公共交通促進は難しいということを良く聞くが、ドイツもフランスも自動車産業が基幹産業であることには変わりはない。その中で、少しでも住みやすい生活を工夫している。電車でもクルマでも移動できるほうがいいのではないか、という社会を目指している。(「選択できる社会の実現」というのは、宇都宮先生の著書にしばしば出てくる表現で、私自身もっとも共感するところです)

ふりかえって我々の戦略は何なのか?地域の活性化なのか?滋賀県の戦略に従って戦術をたてるヒントを得るために、このような協議会でもフランスの事例を紹介してもらいます。

  • このあとのヴァンソンの講演後、琵琶湖環境科学研究センター、京都大学・内藤名誉教授から頂いたコメントから

こ こにいる人たちは皆さんこういうまちを創りたいと思っておられると思うが、なぜこれだけ議論しても進まないのか?ヴァンソンさんが問題を整理して発表され たが、【低炭素社会】実現への試みは、福祉、環境、雇用創出、都市再整備すべてにリンクしているということを京都でも長い間発信してきました。

  1. そこでぶち あたったのは【縦割り社会】の壁。
  2. 次に、現状の法は現況を上手く維持するために作られたものであるので、どうしても【変える】ということに対して【抵抗勢 力】が強い。
  3. それからヴァンソンさんの指摘にもあったように、ここを一歩出ればまだ市民は「クルマは便利だし、このままでいい」と思っている。つまり、市民の豊かさ、幸せが、産業の 豊かさと関連付けられていて、今のアベノミクス礼賛の世の中を見ていても分かるが、【市民の生活に対する価値観が経済に頼っている】。

これからそこから一歩踏み出 て、「住みやすいまち」を作ってゆくために活動するにはどうすれば良いか、を考えてゆきたい。」

  • 協議会にさきがけて、低炭素社会実現のために再生可能エネルギー問題*や公共交通活性化に取り組んでおられる、嘉田知事に宇都宮先生と共にお会いさせていただき、ストラスブール市の交通まちづくりをご紹介しました。

*嘉田知事2013年8月ドイツ視察報告へのリンク・ドイツでの環境問題への取り組みを学ぶ上で大変参考になります。http://www.pref.shiga.lg.jp/chiji/kaiken/files/20130820.html

カテゴリー

0コメント

コメントを提出

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です