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カールスルーエ トラムトレイン

13 10 2014 | Actualités ブログ記事, Karlsruhe カールスルーエ, Tram Train トラムトレイン

  • ストラスブール市から鉄道で1時間ほど北東に位置するドイツのカールスルーエ市は,人口31万の地方都市だが、そこで走行しているトラムトレインは 「カールスルーエ方式 」と呼ばれ、都市域内交通と、都市間交通を結ぶモビリティの一つのモデルとなっている。
  • 中でも人口11250人の温泉地バード.ビルドバード市【カールスルーエから南東】の街中まで入るトラムトレインは2003年に整備され、近距離都市鉄道(Sバーン)の乗客数も3倍になったそうだ。カールスルーエ在住の環境ジャーナリスト松田氏のご案内で、9月にビルドバードまで行ってきました(写真下。当たり前に自転車が積まれているSバーン)
  • カールスルーエ市を出るとすぐに渓谷の風景になり、普通の鉄道のような感じで走行して1時間【運賃12ユーロ】でバードビルバード市に到着。自転車とともに乗車していた15人くらいのグループが一駅前で降りるまでは、平日というのに2連接車輌の車内は満席で立っている乗客も多かった。この辺りは「黒い森」と言われる標高1000から1500mの山が連なり、ハイキングやサイクリングを楽しむコースが万歳だ。

市へのアクセスはかなり衝撃的だ。なぜなら・・

いきなり、こんな風にトラム状態になった鉄軌道のすぐ隣に、まるで触れそうな距離にあるレストランやカフェで人々がランチを取っていた。この路面電車区間は1.5Kmあり、約3300万ユーロ(約45億円)かけて整備された結果、同市を訪れる観光客が約3.3倍になった。投資費用はドイツ国家が65%、連邦が20%、自治体が15%。ドイツでもSバーンやトラムなどの都市交通に自治体が大きく出資しており、公設公営の運営形態がとられている。

カールスルーエモデル (典拠KVV=カールスルーエ交通連盟)

路線上では750Vから15KVに変わる地点では明確なサインが電柱や架線に張られている。

ニコニコ印が変換地点。トラムトレイン運行を成功させるためには、技術上の問題をクリアするだけでなく、都市間交通を担う鉄道業者と、都市域内交通を担当する軌道運送業者などとの広域範囲にわたる異なる事業者や行政間での協調が不可欠であることは、フランス・ミュルーズ市のトラムトレインの紹介でもすでに述べた。

道路上の軌道から、鉄道線路に変わるポイント。

  • このバード・ビルバード市は歴史ある温泉治癒地(しかし、ドイツの温泉は水着着用で利用する規定)であり、クリニックも多い。30分に1本走るトラムトレインのおかげで、乗り換えなしにカールスルーエ市から週末に静かな時間を過ごすために、都会の人たちが日帰りで訪れることができるようになった。ただし、この観光地を訪問する宿泊客の15%しか公共交通を利用しておらず、やはりまだまだ車で休暇の慣習は健在だ。しかし、都会を出て、緑の渓谷【日本の感覚から言えば全くの山の中】を走ってたどりついたこの小さな温泉地【繰り返すが人口11250人しかいない】で、このように路面電車軌道をクルマと歩行者が当たり前のように共有している光景に遭遇するのも興味深い。

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