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クリスマスイベントの事業主体は行政

19 12 2016 | Actualités ブログ記事, Angers アンジェ, Urban Planning まちづくり

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サンタさんと一緒に写真が撮れる特別コーナー

サンタさんと一緒に写真が撮れる特別コーナー

  • 今年もまたクリスマスマーケットが華やかに各地方都市で開かれている。現在の私の居住地アンジェ市では、まちの広場にサンタクロースと一緒に子供たちが写真を撮影できるコーナーが今年設けられた。
  • 実はこんな企画も市役所が事業主体となっている。目的は一つ。中心市街地の活性化。クリスマスが近づくと、行政が企画する様々なクリスマスイベントのプログラムが各戸に配布される。
各家庭に配布される、市のクリスマスイベント案内パンフレット

各家庭に配布される、市のクリスマスイベント案内パンフレット【アンジェのクリスマスの妖精】とキャッチフレーズ

  • パンフレットには、クリスマスマーケット開催中のイベント、シアター、サーカス、お城のイリュミネーション、子供対象のアートアトリエなどについての情報が満載だが、第一ページには市長の写真と言葉が掲載される。地方税を財源として市役所がマーケットを開催しているので、市長がその趣旨を語るのは当然と受け止められ、「まちの中心街には強力な支援が必要です」と市長みずからが冒頭で述べている。

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  • また、中心地活性化のために、3年前から中心広場地下駐車場(市営である)最初の1時間駐車料金を無料化していることもアッピールしている。パンフレットの中には「ショッピングと皆さんの足」と題した頁があり、なるべくパークアンドライドで車を安く駐車して、都心へはバスやトラムでアクセスするように丁寧に利用法を説明。「バスに乗りたいけれど、乗り方が分からない」人口が多いことは、日本でも実証されている。運賃をおさえて利用しやすい公共交通を整備し、その利用方法も分かりやすく説明している。

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中央広場のシャレーが並ぶスタンドで、ホットワインを一杯飲む、通勤帰宅途上の市民たち

中央広場のシャレーが並ぶスタンドで、ホットワインを一杯飲む市民たち

  • さて、上のサンタさんは実は人口が最も集まる上記の写真の中央広場にはいない。まちには、他にも広場が多くあり、わざと他の2つの広場に曜日を変えて、サンタクロースの家が構えられた。なぜか? つまり「人の流れを、あらゆる商業店舗に接することができるように誘導している」。ここまで市役所は工夫。
サンタさんのお家はこんな感じ。市役所から雇用された人が演じている。商店街のボランティアではない。

サンタさんのお家はこんな感じ。市役所から雇用された人が演じている。商店街のボランティアではない。

  • 市長の言葉の中には「連帯のクリスマス」についての紹介もある。まちの広場にある各種の社会福祉活動を行うNPOスタンドでの売り上げなどが、さらに支援を必要とする市民をサポートする活動費用となることを説明している。市長の〆の言葉。「冬の太陽(アンジェ市のクリスマスマーケットの呼び名)、それはクリスマスのエスプリ。それは同時に「連帯のエスプリ」です。」
  • 市役所がどのようにクリスマスマーケットの管理を行っているのか、拙著「なぜフランスの地方都市にはシャッター通りがないのか」の128ページから「クリスマスマーケットという冬の一大イベント」を、ご参考にして頂ければ幸いです。

それでは皆さん、Joyeux Noël et Bonne Année !!

フランスの地方都市に必ずと言っても良いほど、よく見られるメリーゴーランド。子供たちは大好きだ。

フランスの地方都市に必ずと言っても良いほど、よく見られるメリーゴーランド。子供たちは大好きだ。

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