- コロナ前にナント市でご一緒させて頂いた滋賀県三日月知事と、冬のパリで再会、新しい街の様子をご紹介させていただきました。三日月知事は都市や交通計画に関心をお持ちいただいており、2023年のパリのウオーカブルシティについての当方の講演内容についても以下のようなコメントを頂いておりました。https://www.fujii.fr/actualites/%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%81%a8%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%83%96%e3%83%ab%e3%82%b7%e3%83%86%e3%82%a3-%ef%bd%9e%e6%ad%a9%e3%81%8d%e3%81%9f%e3%81%8f/
- ZOOMでご参加くださった滋賀県の三日月知事が以下のメッセージを寄せてくださいましたので、ご紹介させていただきます。【時宜を得たすばらしいオンラインシンポジウムでした。ヴァンソン藤井由実さんのデータや実例に基づく説得力のあるお話に感銘をうけました。15分都市構想、そのための道路空間の再配分、既存資源の最大活用にまず共感しました。また、ウォーカブルな街をつくるための合意形成の取組、環境規制も含めた取組、最も弱い立場にある人々のための安全な道路空間をつくるゾーン30の取組なども、大変示唆に富むお話でした。広域自治体である県としてどのような取組ができるのか、今回のお話を機にさらに考えを醸成させたいと思います。ヴァンソン藤井由実さん、また改めてお話しできる機会を楽しみにしています。今回の本を読んで、またさらにディスカッションできればと思います。今さん、親と子の双方が楽しめる公共空間をつくるために、ぜひ一緒に頑張りましょう。滋賀県でも現在、地域交通ビジョンづくりと、それを実現するための財源をつくる(仮称)交通税の議論を始めようとしています。今回お話しいただいた、【ウォーカブル】【緑化】【安全】といった視点を含めた街づくりのための財源という考え方も重要だと思いました。今日いただいたご示唆を基に、方針を醸成し、県民との合意形成に繋げていきたいと思います。今回は参加させていただいてありがとうございます。2023年5月10日(水)滋賀県知事 三日月大造】

今回のご出張の飛行機の中でも拙著を拝読いただいたとのこと。
そして、2023年5月よりはさらに進化しているパリの様子を, 滋賀県観光誘致のトップキャンペーンで来仏された分刻みのスケジュールの三日月知事に、道路空間の再配分と学校前カーフリーストリート整備を中心として、パリ中心部における車走行を制御する政策を徹底して実施している現状を見て頂きました。

パリ市内ですでに200近い(現在整備中も含めたカウント)幼稚園、小学校前の道路が、このようにカーフリーストリート化されている。学校前の柵に止めているのは自転車よりキックボードが多い。フランスではやっと上手く歩けるようになった2歳児用くらいからのキックボードが玩具店で販売されており、幼稚園児でもスイスイと乗り回している光景が見られる。

学校前だけをカーフリーにするだけでなく、周辺エリア一帯も歩行者空間(自転車だけが侵入できる)に整備しつつある。小学校近くには児童書も豊富な書店や、カフェが多くある。

2024年の11月くらいから始まった、3本線引き。この地点から先は歩行者専用空間で、車の進入を阻止するマーク。今パリの至る所で見られる。

パリを歩いていると、つい最近まで自動車道路であった道路が、自転車走行専用レーンに転用されて事例を目にする。車のドライバーにとっては、運転しにくい導線になってきた。

この写真を見ると、セーヌ河畔道路は、かつて車道であったことが分かる。現在はボラードを地中に沈めて、社会サービス車(消防車、清掃車等)は侵入できる。

セーヌ河畔の歩行者道路に整備されたボラードが沈み、自動車が走行できる(上の写真と同じ場所であるが、写真は昨年度の夏)
灰色の暗く低い雲空が11月から4月まで続くパリの冬。背後の歩行者空間にも余り人の姿は見られません。滋賀県の高村さま、村長さまと共に。

パリ中心部通過を禁止するZTLパネルも、今では至る所に配置された。これはオペラ座のすぐ正面側のオペラ通り。ZTLについては以下の記事をご参照ください。

しかし、タクシーは公共交通として優遇。バス専用レーンもタクシーは走行できるが(タクシー運転手は道路管轄局に登録している)、ウーバーなど民間配車サービス車は走行できない。これもオペラ通りに新しく整備されたタクシーステーション。パリの建物の色合いにマッチしたお洒落なデザインで、かつ分かりやすい。
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