- 9月の第一週は南仏はまだまだ夏だと書いたが、アンジェやパリではすっかり秋模様で、朝晩は12度くらいまで冷える。こちらの方がもう本当に夏休みも終わりで新学期という気分になる。
- アンジェでは8月31日まで中心広場にビーチ設定があるが、9月1日には撤去工事が始まり、現在は秋のお化粧直し中(プレイス・メイキング)中である。

市民に人気があるので、夏の設定はほぼ毎年同じデザインである。

市街地の中心に、田舎風の自然景観を再現させようとするデザインは、どの地方都市でも盛ん。
- 9月のパリは気まぐれで、お天気の良い日と「もう冬か」と思うような雨風の日が交錯する。

空は青くても、パリの落ち葉が秋の訪れを感じさせる。道路幅内にバス専用レーン、自転車専用道路を別々に整備出来ない場合は、バス専用レーン内が自転車道路にもなるエリアもある。バス専用レーンに侵入している車は、医療用車両など許可された社会サービス車のはず。コンクリートの分離帯があるバス専用レーンに、一般車が侵入するのはかなりの勇気を要する。
- この春からパリ市庁舎前広場の大がかりな緑化工事が始まっていたが(以下の記事をご参考に・春の写真と見比べてほしい。https://www.fujii.fr/actualites/%e3%83%91%e3%83%aa%e5%b8%82%e5%bd%b9%e6%89%80%e5%89%8d%e5%ba%83%e5%a0%b4%e3%81%ae%e7%b7%91%e5%8c%96%e3%83%bb%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%80%e3%83%a0%e5%af%ba%e9%99%a2%e5%89%8d%e5%ba%83/ 今では市庁舎前はパリ中とは思えないほど鬱蒼とした緑が重なっている。

すっかり緑が定着したパリ市庁舎(セーヌ川サイドから)

市庁舎正面に近づくと、「地球をレスペクトしよう」という環境保全の大きなパネルが目に入る。

市庁舎の真正面はさすがに植物群はなく、お天気が良ければ赤いパラソルが開き、椅子やテーブルがある滞留空間となる。仕事上、見栄えのする青空を背景にした写真を講演に使ったり、ブログにアップすることが多いが、実はパリではこのようなどんよりとした曇り空の日が、10月から4月くらいまで続くことが多い。

今年のパリビーチ(Paris Plage)も8月31日に撤去された。

何年か前にパリビーチで使った青色のフラッグを使い回している。雨の日はこのように人は少ないが、それでも趣きはある。

かつては車道であったことが良く分かる、パリビーチへのアクセス道路の一つ。雨でもジョギングする人は見られる。

パリ市内のバス停に必ず貼ってあるマップが刷新され、徒歩移動にさらに分かりやすいものとなっている。ウオーカブルを進めるためには、このような情報提供も大切。
- パリCENTRE(中心部)では、制限速度20Kmゾーンや、歩行者専用空間の始まり拠点に、3本の白い線が3筋(つまり9本)引かれているゾーンが目につく。パリ市内全域が時速30Kmに制限され、20ゾーン(制限20Km/h)の導入も進み、しかも一方通行の道路が増え路上駐車場は減らされている(パリ市役所は2026年3月の市長選挙までに、路上駐車数を2020年の半分にすると発表している)ので、車利用者にとってはパリ街路は分かりにくく走りづらい街になった。その分、歩行者がゆったりと歩く姿が何処でも見られるようになった。

このように道路上の複数の白線を見ると、車の動線を考えてしまう。要するにアクセス不可と理解するのだろうが。

昨年度秋から、パリ市内の歩行者専用空間を3本の白線で道路上で示すことが広がっている。ここでは学校前カーフリーストリート・ゾーンに入ることを示す。歩行者専用空間には自転車駐車場も併設されている街路が多い。

頻繁に紹介している学校前カーフリーストリートだが、夏になると街路の緑が伸びて、全く違った景観になる。現在、パリ市内には約200くらいの小学校及び幼稚園前の道路がカーフリーストリートに整備されつつある。詳細は弊書「フランスのウオーカブルシティ」第一章をご参考に!

パリ市内でみかけた自転車のタイヤエアー注入装置。パリ市内では歩行者優先の道路空間再編成が、2020年のイダルゴ市長第二政権から急ピッチで進んでいるが、同時に自転車専用道路の整備にも目を見張るものがある。2026年の次期選挙までには、パリ市内(面積105.4Km`)で、1093kmの自転車専用道路整備が完了する。

2023年に整備されたパリ12区の自転車優先道路。バスティーユ広場からパリ12区役所までの自転車優先の車道2Kmを「Velorue 自転車通り」と名付けている。自動車は通行できるが、完全に安全が保障できる条件(追い越す自転車との距離1m確保)でのみ、自転車を追い越すことができる。12区役所の発表では、とにかく自動車走行が不便なように仕向けて、自動車通行量減少を意図している。環境保全、道路における移動の安全保護のために。この通り(rue Charenton)には、一日4000から7000台の車通過が記録されていた。
パリ市郊外の自治体Meudon市で見た、市役所前のバス停。これくらいカラフルにデザインするのも夏は楽しい。写真中央のガラスパネル(広告写真が入っている)がバス停留所。
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