・4月号の「運輸と経済」は、特集「自転車」で、論稿として、「フランスの自転車政策―僅か10年で自転車大国に変容した実践の在り方―」のタイトルで寄稿しました。かつて「運輸と経済」誌には2年間、フランスの公共交通政策について毎月、連載の枠を頂いていましたが、久しぶりに「自転車政策」という切り口から、フランスの道路空間再配分を中心に、論稿をまとめました。編集部からは丁寧な推敲をいただき、感謝しています。

ナント市の中ノ島で見た道路の使い方。自動車は自転車を追い越すことはできない。
・2027年度に愛媛県でVelo-city(自転車国際会議)が開催されますが、これまで欧州各国で開かれたVelo-city会議は、決して「自転車の祭典」だけではなく、参加都市が「都市空間再編成」を議論する場でもあったことを、関係者の皆様にもお伝えしたかった。
・デンマークの研究所での発表では、欧州の自転車都市(自転車が利用しやすく、利用者も多い都市)は例年コペンハーゲン、アムステルダム、ユトレヒト、ゲントが上位を占めるが、2015年に17位であったパリ市が2023年には5位になったことを受けて、かつては自動車にまみれていたパリが、如何に僅か10年間で歩行や自転車移動がしやすい都市に変容したのか、その背景を法律整備を軸にして時系列に述べた。フランスでは地方都市でもボルドー9位、ナント10位、ストラスブール13位で、地方都市においては、自治体が果たした役割にも追求しました。

ナント市では、20年前から斬新な自転車専用道路整備の試みがなされている。
・要点は、「決して自転車政策だけが切り離されて、実践されたのはないこと」と、「車線削減無くして、自転車専用道路整備はできない」ということです。歩行者空間を削減して自転車レーンを設けるのではなく、いかにしてフランス政府が国全体で、道路空間再配分を進めてきたのかを説明しました。またフランスの自転車文化の醸成にも触れています。

アンジェ市にて。フランスでは保育園や幼稚園の前に行くと、日本のママチャリとは一味異なるこういったカーゴバイクが多い。



・折しも、この3月にフランスの地方都市とパリを自転車で走られた国交省の方は、「カルチャーショックでした」とご発言されている。論稿やその写真を見て頂いた皆さんの感想も是非聞いてみたい。

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