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パリの変身1・環境という名のもとに

07 02 2017 | Actualités ブログ記事, Ecology 環境, Paris パリ

[:ja]

  • 2016年12月と2017年1月に、微笑粒子状物質の濃度が基準値を超えた為に、車輌交通の規制措置が取られた。

1)クルマのクリーン度を提示するステッカー表示の義務付け

(非分類=1997年以前に新車登録のクルマ)、(クラス5=1997から2000年登録のディーゼル車)、2001年以降のクルマは汚染物質排出量に応じて4から1に分類したステッカーを、2017年1月16日からクルマのフロントガラスに表示することが、パリ首都圏で義務付けられた。

その名はCrit’Air (Certificat Qualité d’air = air Quality Certificate):フランス人はVignette (ステッカーという意味)Pollution Paris 2017と呼んでいる。

左のグリーン・ステッカーは100%電気自動車

左のグリーン・ステッカーは100%電気自動車

ステッカーの購入はインターネット上で行い、送料込みで4.18ユーロかかる。

典拠・パリ県警HP http://www.prefecturedepolice.interieur.gouv.fr/Nous-connaitre/Actualites/Prevention/Circuler-a-Paris-et-dans-l-agglomeration-a-compter-du-16-janvier-2017 動画での説明もあります。日本の警察のHPとかなり違うようだ。

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このキャンペーンにははっきりと「パリの環境ステッカー、2017年から1月16日から義務付け」と記載してある。現時点ではまだステッカーを表示していないクルマは、警官のコントロールに出会っても罰金までは取られないが、他の過失や不十分?で課金される不幸な機会を増やすことになるので、おおむねパリの人たちはすみやかにステッカーを入手したようだ。

この政策は国策であるが、実際の適用も課金の実施もそれぞれの自治体の市長と議会が決定する。拙著「フランスの地方都市にはなぜシャッター通りがないのか」でも、何度も述べたが、ここでも地方自治体の政治家たちの権限は大きい。同じようにステッカーを義務付けた自治体はリヨン、グルノーブルである。

  • さて、すごいのは、ここからだ。1月22日の夜に微小粒子状態物質の濃度が高くなったため(80µg/m3を超えた)、パリでは23から25日は非分類車(ステッカーが存在しない中古車)とクラス5(黒色のステッカー)のlクルマは市内は通行禁止になった。規則違反は68ユーロから135ユーロ。最も急に1月23日に警官を反則取締りに大量に動員するわけにもいかず、実際には反則車の通行もあったようだ。夜の8時のテレビメインニュースでも何度でも取り上げられているので、一般市民の関心が高い規制でもある。(ちなみに電気自動車のパリ市内の駐車は無料になった。)

そして、大気汚染が基準を超えた日には、マイカー利用を制限する代わりに公共交通が無料、或いは割安になる。

1月25日は、通常7.1ユーロかかるDAY Ticketが3.4ユーロであった

1月25日は、通常11.15ユーロかかるDAY Ticket(1から3ゾーン)が3.8ユーロであった。切符には「ANTI-POLLUTION・汚染対策乗車券」と明記してある。なお3.8ユーロ(約450円)のこのチケットで、パリ首都圏のバス、トラム、地下鉄、郊外への列車、すべて乗り放題である。

  • 大気汚染が基準を超えた日に、公共交通が無料か割安になるのはパリだけではない。ストラスブールでも1月24日は、One Day Ticketが4.3ユーロの代わりに、1.7ユーロであった。
    ストラスブール都市圏の一日チケット。こちらは「Pic de Pollution 汚染ピーク」と記載されている

    ストラスブール都市圏の一日チケット。こちらは「Pic de Pollution 汚染ピーク」と記載されている。

    しかし、乗車券を用意するだけでは不十分だ。電停やバス停にある券売機のパネルには、「汚染対策チケット」の一行が加筆され(普段はそういうラインを見たことがない)、またバスの中の運行情報提供パネルには「本日汚染対策で、1.7ユーロで公共交通一日乗り放題」と大きく表示される。

バスの中の表示

バスの中の表示

切符券売機の表示版の一番上が、汚染対策チケットの案内

切符券売機の表示版の一番上が、汚染対策チケットの案内

G7はタクシー業者の名前。ハイブリッドなのでクリーンを意味するグリーンリーフのロゴ。

G7はタクシー業者の名前。ハイブリッドなのでクリーンを意味するグリーンリーフのロゴ。

  •  そして最近パリで上の写真のようなタクシーが多くなった。もともとパリのタクシーはロンドンと異なり、運転手が思い思いのクルマで営業しているので、かなりの頻度で同じロゴ、カラーのタクシーがいると大変目立つ。こんなふうに、日常生活のシーンでパリ市民は、「環境」「大気汚染」「交通」を結びつけて考える機会が多い。(続く)

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