- さて、地下鉄もLRTも走っているマルセイユ市にはBRT3路線運行されている。ちなみに路線バスは100コースあり、1600人の運転手が640台のバスを運転し、公共交通供給が充実している。マルセイユ市の人口は85万人。公共交通を運営するマルセイユ交通公団RTMは、マルセイユ都市圏共同体人口100万人余りを対象としている。
- バスの中に入って、ストラスブールのBRTと同じメルセデス車体だと分かったが、余りにもカラーが異なるのですぐには分からなかった。フランスのどの都市もまちのブランド化のために、すべての公共交通のカラーを統一している。 たとえばストラスブールは深いグリーン。マルセイユのBRTとバスは鮮やかなピンク色で、車体の中のデザインにも凝っている。 予算が削られても「街の中を走り回る都市交通はまちの顔、アイデンティなのでバスやLRTのデザイン料だけは死守する」とどの都市の交通局でも聞いた。
フランス東部ストラスブールのBRTと同じ車体なのだが、色合いを変えるだけで雰囲気がかなり異なる。気候が良いので乗客のファッションなどの違いもあるが・・・
- またマルセイユ中央駅の裏側には見事なバスコンコースが整備され、渋滞に巻き込まれずコンコースに入りやすいようにバス専用道路が工夫されている。
マルセイユ国際空港行きは15分ごとに発車、と大きくアッピールした空港バス
メッス、ナンシー、ナント、ストラスブールで、ガイダンス無しで運転手が24.5mの車体をぴったりと5cmくらい間隔で電停に停めるのを見てきた。だからこのバスの停車の仕方にはびっくり。マルセイユらしいおおらかさというか・・・
運転手さんもおおらかで、私のカメラを観ると「写真、どんどん撮って・・」この運転手さんが電停から離れてバスを停めたわけではありません。念のために。
- さてこのBRTの中でこういう案内を見ました。「バスの中で切符を購入したら1ユーロ9になります」「先に券売機で買うと、1.5ユーロ。その方が貴方にとっても安いですし、バスも早く発進できます」とBRTの特徴である定時性、速達性のためにアッピールしている。 元来、BRTにはLRTと同じように信用乗車を適用して車内では全く切符が買えない都市が多いが(メッス、ストラスブール、ナントなど)、都市によっては車内での運転手による販売も行っている(ナンシー)。これには幾つか理由がある。「各駅に券売機を整備するとコスト高」。「駅構造によっては場所が無い」。「沿線に高齢者利用者が多く、自動販売機(フランスではお札は使えず、カードと小銭のみ)で切符が買えない・・・」等。だからあくまでも利用者を増やすことが目的なら臨機応変に、BRT車体の中でも切符を販売させる。でも多分電停での券売機の方が安ければ、乗客も次からは車内で買わないだろう・・・何だかとても配慮が行き届いたメッセージだと思った。ちなみに「回数券だともっとお徳で、13.4ユーロになります。」と書いてある。1.5ユーロの切符で、すべての公共交通乗り降り1時間有効はフランス中で共通している。
- さてこのBRTは新しく完成した西欧地中海文明美術館の前を走っている。 http://www.mucem.org/ 文字通り地中海を目の前にして、超斬新な素晴らしい美術館で中庭のテラスもレストランにも独特のデザインを施してある。チャレンジしないまちは止まってしまう。 治安の悪化、海運事業の停滞などで都市全体のイメージが下がっていたマルセイユは2000年代に入ってから港湾地区の副都心再整備計画に着手し、今見違えるようになっている。この美術館からモンテクリスト伯・鉄火面のイフ島 http://www.chateau-if.fr/ が目の前。是非立ち寄ってください。
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