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コロナ下での欧日移動 (日=>欧編)、そして今。

29 11 2020 | Actualités ブログ記事, Milano ミラノ

  • 私が日本に滞在した期間は、第3波が訪れる直前で、GO TO TRAVELやGO TO EATキャンペーンなどの影響で、街中に少し人が戻ってきていた。それでも東京も大阪も中心地でさえ、夜の9時を過ぎると嘘のように人が少なかった。一方欧州では私が日本にいる間に、感染者数が増加し、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、どの国も夜の外出規制からレストランなどの閉店、移動に規制を課すロックダウンに入っていた。春の都市封鎖との大きな相違は、学校の閉鎖がなかったこと(高校や大学はオンライン授業になった)。小さな子が在宅だとリモートワークも難しいので、できるだけ経済活動を支援する各政府の意図がみえる。11月に少し辛抱してもらって、12月からはクリスマス商戦に向けて店舗を開店、そしてクリスマス休暇は家族で祝えるように移動制限緩和、というのがどの国も描いていた行程であった。欧州のクリスマス休暇は、日本のかつてのお正月のようなもので、家族が集まる一年で最も重要な行事で、その折に交換するクリスマスプレゼントのおかげで、商店の一年の売り上げの約20%は、12月1日からクリスマスまでの三週間に集中すると言われている。

日本からの出発日11月22日の関空からの国際便は4便のみ。パリ、マニラ、シンガポール、ソウル。この日、南ウイングは閉鎖。免税店とカフェが、それぞれ一店のみ営業していた。パネルの後ろにいる人たちは、日本からパリ経由でインドまで帰る人たち。みんな大変だ。

このような状況になると、飛ばして頂きありがとう、とエアフランスに伝えたい気持ちになる。ちなみにパリへはANAも運行している。

  • パリに到着したのは午後の3時半。EU圏内への入国審査コーナーも誰もいないので、5分で終了。なおフランスやイタリア国内に、ロックダウン時に入国するには、それぞれの国の滞在許可書を持っていることが条件だ。ロックダウン時以外には観光客も入国できるが、日本に帰った時に日本側が2週間の自主隔離を要請するので、結局は日本からの観光客はゼロだ。

欧州圏内の移動は、ビジネストリップは許可されているので、ある程度のフライトは運行している。

  • 本来なら、パリ―ミラノ間はエアフランス便だけでも頻繁に運行しているが、AFはパリーミラノの午後のフライトはすべて欠航させているので、私はパリ―アムステルダム―ミラノという行程になった。アムステルダムのスキポール空港では驚いたことに、10軒ほどの飲食店や免税ショップが営業しおり、人の往来も多かった。人々はマスクをしているが、それほどSocial Distanceを気にすることなく、搭乗のための列を作っていた。統計をみると、1774万人の人口に対してコロナ疾患死者は9400名であった。人口6600万人に対してすでに52000人の死者が出ているフランスよりは、幾分か感染状況はマシかもしれない。オランダでは完全都市封鎖ではなく、映画館や美術館を閉鎖する部分的ロックダウンを行っている。

アムステルダムからミラノまでのKLM便。大きな声で機内で話す人もいて、あーイタリア行きだなと感じる。イタリア行のKLM機に搭乗前に検温があり、またイタリア入国の目的や個人情報を書類に記載する必要がある。

  • そしてやっと夜の11時近くに、ミラノのマルペンサ空港に到着。そこでは荷物を受け取るエリアの前に、テーブルが5つほどあり、その上にイタリア語のみの用紙が置かれている。他の搭乗客がその用紙に記載してから、3つの警察(一度欧州圏内に入ると、EU国間の移動には基本的に入国審査をするポリスステーションはない。たとえば私はパリで、EU圏内に入っているので、その後はアムステルダムやミラノに行くのは、日本の国内旅行と同じ扱いになる。だから、この3つの検問所は「コロナ・コントロール所」である。)ポストに行くのを見て、続く人たちも(そして私も)同じようにするが、一切の案内もないし、誘導員もいない。イタリア語が分からない人たちは、携帯で訳を聞いたりしている。

ミラノのマルペンサ空港で記入した用紙。英語版はインターネットで後で見つけたが、空港には無かった。

  • この用紙では、「現行の規制や決まりに従うこと」を自己宣誓するが、具体的にイタリア入国に際してどのような規則に従う義務があるのかは明記されていない。感染状況に応じて、規則そのものが頻繁に変わるので、このような書式になったのであろう。【つまりそれぞれの入国者がインターネットで「現行の政令や規則」を確認する必要が出てくる。幸いにミラノの日本総領事館が、新しいイタリア保健省命令が発令されるたびに日本語訳をネットで公開している(フランスも同じ)。そこで私の場合はパリ、アムステルダムで乗り換えているので、2週間の自主隔離が必要と確認できる。】
  • ポリスステーションでは日本のパスポートとイタリアの在留資格(滞在許可書)を見せると、「あなたもアムステルダムからのフライトで移動したか」という質問のみで通過した。隣の列には、全くポリスステーションを通過せずに直接荷物のターンテーブルまで行った搭乗客も結構いたが、どのような基準でそういったグループがいたのか、今もって良く分からない。

 

  • さて、11月29日の現在、パリもミラノもすでにロックダウン規制を少し緩和しており、両都市ともに本日から食料品販売以外の一般店舗の営業が許可された。しかし、レストランやバーの営業停止続行は両国に共通している。

La Repubblica Milano 11月29日誌より

そして、ショッピング解禁になった途端、いきなり上記のような人出である。ニュースで見る限りは、パリも全く同じ状況である。また、フランスもイタリアもスキー場の閉鎖を決定。厳密にはスキーリゾート地に行って雪山を堪能することは出来るが、リフトは運行されない。一方スイスやオーストリアはスキー場の通常稼働を決定。これでは国境を越えてスキー客が移動することになると、早くもドイツのメルケル首相が、欧州全体としての整合性のある政策を呼び掛けている。クリスマスのために封鎖緩和。しかし、欧州ではもう今から来年の1月に訪れる第3波が危惧されている。

イタリア人の工夫。カフェの建物の中での飲食は禁止だが、Take AwayはOK. だからお店で注文したカフェを、イタリア人は舗道上で飲んでいる。歩道の小さなスペースを利用して椅子を設け、飲み物を置くことのできるスペースや灰皿まで用意したお店の工夫。今イタリアは、今週亡くなったマラドーナの話題一色。アルゼンチン人のマラドーナは、かつてナポリチームの花形プレイヤーであった。

 

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