ページを選択

「運輸と経済」6月号と7月号 フランスの合意形成

17 07 2022 | Angers アンジェ, Concertation 合意形成, PLU 都市計画, Publications 寄稿記事, Urban Planning まちづくり

  • 「運輸と経済」6月号と7月号は、フランスの合意形成についてです。6月号では合意形成の法的枠組みと、最近の傾向や特徴をまとめ、7月号ではアンジェ市における駐車場の歩行者専用空間への転用について行われた住民集会を実例として、合意形成の一環として行われたコンセルタシオン(事前協議)におけるプロセスやその具体的な手法を示しています。

都市計画をみずから説明するアンジェ市長 なお、アンジェ市長はこの7月の内閣改造で、交通局を含むエコロジー移行省の大臣に抜擢された。尚、大臣職についたために、市長との兼任は可能ではあるが、ベシュー氏は副市長となった。

  • フランスではモビリティの再編成を含んだ都市空間の再編成(例えば自動車利用者とその他の交通手段利用者との道路空間の共有)が、パリだけでなく地方都市でも進んでいる。都市政策を担う自治体が、MaaSも展開させながら、スマートシティとして道路や照明などの総合的な制御などを実現しつつある地方都市の事例もみられる。日本でもMaaSやスマートシティ構想は進んでいるが、都市全体でシステムが活用、実装するのではなく、局部的な地域に限っての事例が大半だ。フランスの都市全体で思い切った新しい仕組みへの取り組みが可能であるのは、自治体がイニシィアティブを発揮し、システム全体を管轄しているからである。新しい事業や企画の実行に必要な資金には、国やEUからの補助もあるが、自治体の税金などによる自主財源や借款が大きな位置を占める。それでは民意はどのように反映されているのだろうか?
  • 分かりやすいDisplayと、説明を惜しまない広報員がいる「プロジェクトの家」。

     

  • 自治体が企画或いは実施中の都市計画をビジュアルに訴える。

     

    アンジェ市内の撤廃された185台収容の駐車場

    ・都市空間再編成の要は、道路空間の再配分である。その際に最もセンシティブな案件は、車進入規制と、車道や駐車場を減少或いは撤廃して、歩行者空間や自転車道路に転用する際の市民の合意の獲得ではないだろうか。アンジェ市都市圏共同体のLRT-B線導入に伴い、アンジェ市が行った都市空間再編計画における合意形成、特7月号では、2015年から18年までの間に実施された、駐車場撤廃を伴う広場改造計画に関するコンセルタシオン(事前協議)の内容詳しく書いています。アンジェ市はしばしばフランスで最も住みやすい都市No.1に選出され、フランスの平均的な地方都市ともみなされています。アンジェ市でも、駐車場の歩行者空間転用を疑問視する意見や反対意見が出たが、それに対する住民集会での手法とアンジェ市長の説明内容は、日本の歩行者専用空間の整備推進事業者にとって参考になればと願っています。

  • 元駐車場(写真でテントがある場所)を含む、新しく再編成さアンジェ市における川岸の都市空間(写真・ALTERのHPより)

カテゴリー

0コメント

コメントを提出

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です