- コロナの影響が長引くに連れて、ZOOMでの会議や講演が増えてきて、ミラノから日本の皆さんと仕事のお話する機会も増えました。私的にはもう15年くらい前からSkypeを使っているので、ビデオ通話には全く抵抗はありませんが、しかし対面で直接的にお話ができる機会はやはり、圧倒的にアウトプット、インプット双方の情報交換量が違うと思います。2020年の秋の日本滞在時に、お話させて頂いた道路空間高度化研究会のレポートです。
日本みち研究所のお知らせはこちらから。高度化研概要_HP公開用_201209
令和2年 11 月 11 日、第 41 回(令和2年度第1回)道路空間高度化研究会を、オンラインでの参加·傍聴併用にて開催しました。
今回は、FUJII Intercultural 社代表 ヴァンソン藤井由実氏をお招きして、『With コロナ時代のモビリティと都市空間の再編成·ミラノ市の事例』について、話題提供をしていただきました。
話題提供では、ロックダウン中のミラノ市民の生活や公共交通機関の状況のほか、ロックダウンからの出口戦略としてミラノ市が取り組んでいる戦略的都市計画(タクティカルアーバニズム)や道路空間の再配分、オープンスペースの確保について具体例を用いながらご説明いただきました。さらに、これからの都市像として、グローバリズムからローカリズムへの動きや、歩いて 15 分以内で暮らせるような徒歩移動を中心とした生活環境を形成する「15 分都市構想」など、新型コロナウィルスをきっかけに高まっているニーズについてもご紹介いただきました。
話題提供の後には、藤井氏と本研究会委員がイタリアでの都市政策の進め方や合意形成のあり方など、さらに具体的な内容について活発なご議論を展開していただきました。
【御出席の委員】 委員長 石田東生 筑波大学名誉教授·日本みち研究所理事長
- 委員 天野光一 日本大学理工学部教授
- 委員 岸井隆幸 計量計画研究所代表理事、日本大学特任教授
- 委員 谷口 守 筑波大学システム情報系社会工学域 教授【会 場】 株式会社日本工営本社ビル会議室
【問い合わせ先】一般財団法人 日本みち研究所 調査部 見明 栗山 Tel : 03-5621-3115 FAX : 03-5621-3153 HP : http://www.rirs.or.jp/
- 今までミラノやフランスの都市封鎖の出口戦略としての、新しい都市空間編成のレポートを専門誌に発表してきましたが、今回はその「まとめ」のような形で自由にお話させていただきました。実はコロナ対策で、大きな会議室を2室に分けて、私が話している会議室の隣のスペースには巨大なスクリーンが2台備えられていて、会場を提供していただいた日本工営社の方々もお聞きいただきました。ご質問が多くて嬉しく、質疑応答の時間がとても楽しかったです。
- 日本工営は1950年代からダムや水力発電所、道路、鉄道、橋梁などの技術を海外に提供してきましたが、現在ではあらゆる社会資本づくりに関するコンサルタント事業も含め、日本を代表する大手の建設コンサルタント企業で、現在も海外160か国で社会インフラの整備を行っています。(日本工営社のHP より・https://www.n-koei.co.jp/profile/global/
- さて、その千代田区の本社をご案内いただいて、本当に驚きました。黒川紀章氏がてがけたデザインの新しい建物は、和と洋の美しさが完璧に調和したエントランスホールから、社員が会議に利用できる和室や屋外テラスがある最上階まで、素晴らしいの一言に尽きる設計。
- 実は、当日そんな斬新なビルであることも知らずに現場に向かい、まず道路で立ち止まった。欧州では今流行になっているが、まだ日本では見たことのないグリーンウオールにまず目が惹かれた。麹町大通りに面する建物の一部の長さ約20メートル、高さ6メートルの壁面に緑化を施している。夏はさぞかし清涼感を呼ぶことだろう。建築物全体に環境配慮がされていることと、もう一つの特徴は、中で就労する人への配慮が細かいことだ。ウエルネス・スペース、コラボレーションエリアがあるのは勿論で、カフェでは必要であれば洒落た舞台を準備できる構造にもなっている。柱のない開放的な広いオフィスフロアには、社員の固定机はなく、それぞれがPCを持って、仕事の都合や会議に合わせて移動する。窓際には様々な形態のミーティングルームやカフェコーナーが設けられている。コロナ対策で出勤者は少なかったが、是非この素晴らしいワーキング・スペースが多くの人で活気づく光景を見たいと思った。それくらい魅力的だった。
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