9月号と10月号では、利便性の高い公共交通ネットワークを充実させ、できるだけ都心における車利用を抑えてきた、大西洋岸の人口約69万人の地方都市ナント・メトロポールがテーマです。9月号ではナント・メトロポールの総合的な交通政策を、10月号ではその卓越した交通政策や文化への投資と産業遺産地域再開発計画が、環境という観点からナント島におけるまちづくりの中でうまく融合した様子を紹介します。ナントの交通政策については、今までも幾つかの媒体や講演で何度か紹介してきましたが、変化のスピードが速く、新しい要素も増えているので、私自身、街を訪問するのが楽しい都市です。
常に時代の先端を行くナントの総合的な交通政策を、以下の順に詳しく説明しています。
1)フランスで最初に路面電車を1985年に復活させ、同時に都市空間再編成を行った。(今でも初代の車両も走っていますが、順次代替えが進んでいます。)
2)2006年にフランスで先陣をきってBRTを導入、2020年には電気エネルギー登載のBRTを一挙に22台導入を決定しました。
3) 充実した路線バスサービスを2013年から開始
4)まるで教科書のような良く構築された交通結節拠点が、ナントには複数存在する
5)駐車対策 ― 週末はすべての公共交通とP+Rが無料。2022年9月からは中心市街地はほとんどゾーン30に設定され、路上駐車料金も大幅に値上げされる。すべては歩行者を優先したまちづくりを目的とする。また、2021年4月から週末はすべての公共交通とP+R料金が無料になっている。
6)水上バス(船)や自転車移動、P+R利用も含む、総合的な交通利用は一枚のICカードで可能である。
7)シェアサイクル導入に伴い、2008年から中心市街地に自転車専用道路を整備してきた。
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