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京都大学院秋季学位授与式

02 10 2024 | Actualités ブログ記事

  • この秋に1週間だけのスピード滞在をしたのは、9月24日の京都大学院秋季学位授与式に出席するためでした。

京都大学総長・湊長博教授から学位記をいただきました。首から掛けているのは学位ストール。

  • 今までの調査・研究を博士論文に仕上げませんか、とコロナ真っ只中の2020年に思いもよらないお話しをくださった京都大学名誉教授の中川大先生はじめ、多くの先生方に3本の査読論文の執筆に懇切丁寧な素晴らしいご指導をいただきました。本の執筆と論文では作法が全く異なるので、3本の査読論文を仕上げるのは大変でしたが、先生方のおかげで2022年末に完成。2023年の「フランスのウォーカブルシティ」出版を経て、京都大学の藤井聡先生に、3本の査読論文をまとめた博士論文「フランスにおける交通まちづくりの実践政策学的研究」の仕上げの丁寧なご指導をいただきました。論文の持つ社会への貢献性の意味や、モビリティの哲学などについて、多くの示唆を含む貴重なお話をお伺いする機会に恵まれました。多くの先生方のご指導で、最後までまとめることができた、と心から感謝しています。

壇上には18学部の学部長。

まだ博士論文のお話を頂く前の中川大先生【京都大学名誉教授・元富山大学副学長】と。多分2017年くらい。

 

2024年3月末、京大桂キャンパスでの2時間に及ぶ公聴会の最後に、主査をお引き受けいただいた藤井聡先生はじめ、ご指導いただいた先生方への御礼。ZOOMでご参加くださった多くの方にもご挨拶するため、ビデオカメラがあった左の方向を向いています。

 

  • この春、3月26日の公聴会では、ZOOMでお聞きになってくださった方も多く、Mailもたくさん頂きました。本当にありがとうございます。2012年に”ストラスブールのまちづくり”の土木学会出版文化賞受賞を記念して、夏の日、土木学会でセミナーを開催していただいて以来12年間、いつも当方の活動に暖かい励ましやコメントを頂いている原田昇先生のお言葉を下記にコピーさせていただきます。
  • 原田昇先生のご投稿記事より。
昨日は、ヴァンソン藤井由美さんの博士論文の公聴会にオンライン参加した。
題目は、フランスにおける交通まちづくりの実践政策学的研究、主査は藤井聡教授、副査は、宇野伸宏教授と大庭哲治准教授である。「実践政策学的研究」かどうかは別として、藤井先生か「30年間の経験と10年間の研究の成果をまとめた」と言われる通り、「フランスにおける交通まちづくり」を理解するうえで欠かせない広範で多様な事実が収められた内容である。仮説を立てモデルを用いて検証するという研究とは異なるが、我が国の交通まちづくりの参考となる財源確保や合意形成の仕組みをはじめとする計画制度とその実践を丁寧に整理している点で、高く評価される内容である。また、取りまとめに時間を要したと感じるが、審査論文としてまとめるのに色々と苦労されたことと推測し、その努力にも敬意を表したい。
ヴァンソン藤井由美さん、公聴会、ご苦労様でした。引き続きの情報発信に期待しています。

とても肌寒かった京都の今年の3月。公聴会で桂キャンパスにて。土木学会出版文化賞をいただいた”ストラスブールのまちづくり”執筆のきっかけをくださった、懐かしい京都大学名誉教授の青山先生と、松中先生、神戸大学名誉教授の小谷先生も桂キャンパスまでお越しいただきました。ストラスブールで最初にお会いしてからちょうど20年がたちました!!

 

  • 「ストラスブールのまちづくり」を執筆してから12年。流れに自然に乗って書いてきた本が5冊になり、最新作の「フランスのウォーカブルシティ」も国際交通安全学会賞を受賞し、フランス語科出身の私にとっては本当に予想もしなかった展開で、工学の博士号にまでたどり着いた、というのが正直な感想である。様々な人生の可能性を私に与えてくれ、私にとっては素晴らしい国であるフランスの事例を母国の日本に紹介することが、日本がさらに今後素晴らしくなってゆくことに少しでも貢献できればこんなに嬉しいことはない。

 

授与式は秋季ということもあり、工学部の修士・博士授与者の3分の1がアジアを主とした留学生であったが(全体授与式のあとに開催された工学部の授与式で、学部長は英語で祝辞を述べられた。総長の祝辞は日本語であったが、舞台に英語の字幕スクリーンが大きく張り出された)、18学部全体を通してもそれぞれの総代の3分の1くらいが外国人のように見受けられた。また修士課程の代表には女性も多かった。

 

長年、様々な形で励ましていただき、ご指導いただいた石田先生、中村先生、牧村先生には、授与式より一足先に日仏で両国でお祝いをしていただきました。先生方からの知的刺激とパッションも、本を書き論文を仕上げるモティベーションの一つになっていました。

 

  • フランスから来れば、9月末でもサウナのように感じられた日本の暑さであったが、学位式の当日は大阪の一心寺に、翌日は京都の南禅寺にそれぞれ学生時代からの友人と出かけた。両寺ともに奇跡的に観光客が少なく、緑が多い境内は涼しくすら感じた。至福の一時であった。

南禅寺の堂々たる正門

 

新緑のようにまぶしい樹木。借景の背後の山々が、境内のあらゆる場所から望まれる

  • 海外で生活していると、誇れる母国があることの有難みをいつも感じている。自然災害が多く人口減少する日本だが、それらを補って余りある豊かな歴史遺産と多様な地域文化を持ち、高い完成度を誇る都市機能がある国は、世界を見てもそう多くはない。そんな母国をいつも意識しながら、今後も活動を続けてゆきたい。

 

明治時代に建設された琵琶湖から疎水する水道橋が、南禅寺境内に残る

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