ページを選択

宇都宮市LRTレポート② 導入工事中の情報発信

13 01 2021 | Actualités ブログ記事, Concertation 合意形成, LRT, Utusnomiya 宇都宮市

このパンフレット1枚で、宇都宮市でのLRT導入計画の全容が良く把握できる。素晴らしい。

工事としては街中を走る宇都宮駅から芳賀町に向けて最初の6駅間の鬼怒川の西側路線よりも、工業団地(テクノポリス=現名称は『ゆいの杜 地区』)がある鬼怒川の東側の区域の方が、進捗状況が早い。これは西では車の通行量が多いので、まず、車の迂回道路を幅員に整備してから、道路の中央を走る路線整備工事にかかるためだろう。

鬼怒川の西側区域の道路工事・あくまでも車走行の邪魔は、出来るだけ回避しなければならない日本。最初は自転車専用道路の整備工事を行っていると思ったが、道路幅員に一般自動車走行用の新しい道路幅を確保する工事。写真右の白いバリケードのゾーンにLRTの線路が整備される。

上の写真のような工事景観が、宇都宮駅を出てから鬼怒川に近づくまで続く。フランスでのLRT敷設工事を日常ベースで見てきた私としては、2022年開通でまだ街中の主幹道路が上のような状態ということに少し驚き、「かなり早いスピードで土木工事が日本では行われるのですね?」と何度も担当の方にお聞きしてしまった。(その後、残念ながら1月19日のNHK栃木ニュースWEBで、開通延期が報道されました。「感染拡大の影響で、工事区間の一部の地権者との間で用地取得の交渉が進められず、同意が得られていないことなどから、工事が遅れる見通しとなったということです。このため市などは、開業の時期を1年程度、延期する方針を固めました。(ニュースより)」。コロナで土木建築工事が遅延しているのは欧州も同じ状況だ。ニュースはこちらから=> >https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20210119/1090008684.html?fbclid=IwAR2_tgTQUv0-lWh0axjc6v966Kn6H4BhdV7jte031ZqkjEpMA2AVZWXrGwA

鬼怒川の前に、駅から5つ目の駅「ベルモール前」【仮称であり、現在法定協議会の専門部会において正式名称の選定中】には、ショッピングセンター「ベルモール」の中に設置されたコミュニケーションセンターがある。

LRT広報センターは、ショッピングセンターの中央。エスカレーターの乗降口の隣に設けられており、一番目立つ位置だろう。

LRT企画を景観を交えた立体模型で表現。かつてフランスのストラスブール市では、これと同じタイプの模型を、市役所の入り口に設置していた。この模型でLRTが走る架橋工事を行っていることが市民にも良く分かる。実際には新4号線と鬼怒川の間には、この模型よりもう少し距離がある。また新4号線の下を通る前に「平出町」駅があり、LRT車両基地が建設中だ。  この模型の優れたところは、それぞれの拠点の工事進捗状況を示す写真を公開していること。随時アップデートする必要があり、担当者は大変だが「工事の今感」が伝わってよい。ストラスブールでライン川を渡る架橋工事を行った時には、定点観測でWEBでも映像を公開していた。

  • さて、橋梁工事を見るのは楽しい。私は土木出身ではないが、ダイナミックな工事のプロセス、河に橋がかかってゆく様子はアンジェでもストラスブールでも楽しんで見てきた。担当者によると鬼怒川でも、多数の「市民工事現場監督者」がいらっしゃるようだ。

橋梁工事の現場にも、工事内容を説明するパネルがあった。

かつの工事お知らせパネルと、上のマップ付きのパネルを比較すると、市民へのアッピール度の違いが一目瞭然である。(これは国交省の規定によるパネル)

川の西側から、芳賀町の東側に向けて。架橋工事は渇水期の冬に進む。

川の東側から西側を見る。写真はいずれも2020年11月12日。

川の西側

 

余談だが、この姿を見ると「The Japanのプロ」を感じる。海外の工事現場では見られない、腰にぐるっと一式ツールを巻き、地下足袋ルック。

 

架橋工事の向こうの西側も東側同様、大変のどかな緑豊かな景観が続く。

  • ここでも一つ提案だが、LRT第二路線工事で、やはり架橋工事を行ったアンジェ市は、工事現場に、トラム局(宇都宮市なら、宇都宮ライトレール株式会社)のスタッフや、工事施工者などの顔写真パネルを、道路沿いに建てた。「橋をかける」という土木工事に、どのような技術を持ったエンジニアや専門家が必要かが良く分かり興味深かった。また普段は余り注目を浴びることのない調達係や経理担当などの、バックオフィスのスタッフも紹介している。プロが撮った写真で、プロフィールの背景は美しい街の風景。いつも多くの市民がパネルを眺めながら、街がどんどん変わってゆく有様を市当局と一緒に観察していた。

記事はここから・

LRT導入工事における自治体の発信法

 

 

カテゴリー

0コメント

コメントを提出

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です