- 鬼怒川を西から東に超えると工事の様子がより具体的になってくる。まず作新学院北駅前(仮称)を超えて、路線が北側に曲がる、清原管理センター前(仮称)のトランジットセンター整備が始まっている。この工業団地の中に設けられる駅とトランジットセンターで、バスとLRTの乗り換えの利便性が図られた構造になる予定だ。387,6ヘクタールの清原工業団地には44社が進出し、現在11000人の従業員が通勤している。
清原管理センター前駅【仮称】・ トランジットセンターのバス発着拠点となる予定地を前にして。
- 2020年度11月時点で、LRT停留所の建設がみられたのは、キャノンの工場群に近い、清原工業団地北駅【仮称】電停であった。
- 上の写真の電停景観が見える清原工業団地北駅【仮称】からは、路線はテクノポリス(現名称は『ゆいの杜 地区』)西駅【仮称】まで北上する。 テクノポリス西駅からは、ルートは東に向けて東西線で工業団地を抜ける。路線の北側には小学校や新しい住宅地が整う地区を通過して、隣接の自治体、芳賀町のテリトリーに入る。この地域にも474.8ヘクタールの芳賀・高根沢工業団地があり、104社が進出、本田技術研究所を中心として合計24000人の従業員がいる。テクノポリス西駅から3つ目の駅、管理センター前駅【仮称】からは、路線は再び北上し終点の本田技研北門まで進む。
- 工事と共に、車移動中心の市民に対しては、①道路上における車とLRTの優先性の理解と ②公共交通を利用したことがないユーザーへの乗り方案内 の広報や案内も必要だ。宇都宮市では大変丁寧なパンフレットを作成しているので、いよいよLRTが開通する際には、これらのパンフレットを各戸配布することが好ましい。わざわざ市役所やベルモールの広報センターまで、パンフレットを取りに来る市民は多分少数派だろう。
- フランスの環境省発表レポートによると、2019年には31の都市でLRTが走行し、その延べ走行距離は7億5700万Kmという気の遠くなるような数字で、延べ利用者数は11億3600トリップ。
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- それに対してLRTと他の移動手段(自転車、二輪車、自転車、歩行者を含む)との衝突事件数は年間1431件。追突側の負傷者は265名、そのうち死者(事故後30日以内の死亡者)は4人、重病患者(24時間以上の入院を必要とする)は28人。LRT側の負傷者は131人、重病患者は1人となっている。
- 追突以外の事故(ホーム転落など)やLRT車両内での事故件数は1090件だが、ほとんどが急ブレーキの際に転倒した高齢者で、実際に負傷したのは589名。急ブレーキをかけた折に、運転手が「転んだ方はお知らせください」というアナウンスに答えた乗客で、実際には負傷していない人数が、1090件の約半数を占める。その中には、LRT出発時にドアに挟まれた乗客の数も含む。負傷した589名のうち重病患者は5名、2019年度の死者は1名である。LRT乗客1名の死亡理由は、LRT発車時点で車中で転倒。
- なぜ急ブレーキが多いのかという疑問が出るが、一般道路上にLRT線路と歩行者が共存するフランスでは、線路上を歩く徒歩移動者や自転車移動者が大変多いためである。
- これらはフランス全体の数値で、つまり追突側の死者も含めてLRT関連事故死者数は年間6名。高齢者の車ドライバーが一度の事故で、数人を殺傷してしまう日本の現在の状況をみると、公共交通としてのLRTの安全性は際立っているといえる。どちらにしてもフランス各地の統計で、LRTが最初に走行した年は事故数が多いが、運転手側も道路側の市民も慣れるに従って、事故数が減少することが証明されている。
- ちなみに、バス運行と比較しても、10000Km当たりの事故数が、2019年バスでは0,7件に対して、LRTは0,35であった。軌道上を走るLRTに対する追突事故がバスより少なく,LRTの公共交通としての安全性の優位性が際立っている。
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