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TGVをコロナ重症患者搬送輸送機関として利用

27 03 2020 | Actualités ブログ記事

フランスは3月26日、東部のコロナ重傷患者20名を、TGVでフランス西部の各病院に搬送した。

フランス全国で死亡者1331名のうち、506名がフランス東部のミュールーズ市(ストラスブール市から南に114Km)を中心とした地域に集中している。すでに市中の病院では感染者全員を収容することができすることができず、軍が野戦病院を23日に開設した。特に集中治療を必要とする重症患者を、まだベッド数に余裕があるフランス西部(アンジェ市やナント市)の国立病院に搬送するために、二階建てTGVの5車輌を、緊急病棟搬送機関として転用した。

搬送された患者は20名で、各車両の一階に4人づつ運ばれ、二階建て車輌の二階には、医療スタッフが乗る。患者1人に6人体制で、麻酔・緊急蘇生専門医、インターン医、麻酔専門の看護師、3人の看護師が1チームになる。すっかり人気がなくなったTGV駅(ちなみに、現在、フランスとイタリア、ドイツなどを結ぶTGVはすべて運行停止)を午前8時30分に発車。ストラスブールからアンジェまでのTGVは私もよく利用したが、所要時間約5時間。途中野生動物などが線路に侵入して緊急停車や車輌脱線のリスクを避けるために、TGV専用線路ではなく、在来線路が利用されたようだ。

コロナ感染が深刻になり、EU加盟国が共通した公衆衛生政策を打ち出さず、またそれぞれが国境封鎖や人の流通規制に入ったことを受けて、「欧州連盟はどこにいったのか」と大きな批判の対象になったが、アルザス地方の患者は、ドイツに40名が、またアルザスに隣接するロレーヌ地方の患者もスイスやルクセンブルグに搬送が始まった。ようやく欧州間の協力も始まったようだ。

(上記映像は、フランス2のテレビ映像より)

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