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  • メッスに5年ぶりに行って、METTISとネーミングされた新しいBRTを垣間見た。

(一瞬、LRTかと見間違えたメッス市のBRT)

  • 2013年10月5日に2300万ユーロをかけて2路線17.8Kmが開通し、駅数は37。 開通まもないのでまだ統計は発表されていないが、一日36000人の利用が見込まれている。150人乗りで全長23,82 M、一台85万5千ユーロ(税抜き)でディーゼルと電気のハイブリッド式のこのBRTは、ベルギーの Van Hool 社の Exqui.City 24モデル。 連接バスタイプ27台購入(+9台追加オプション)を対象として国際入札が行われ、スイスのHess社とオランダの ATPS社と競合した。信用乗車方式(運転手席と乗車席との間に隔離壁が設けられている)、優先信号、バリアフリー車両と電停、専用レーン設置と、全くLRTと同じ利便性を備えている。又バスの内装には防火性に優れ、引っかき傷などに強い素材を適用し、監視カメラも搭載している。外壁にはグラフィティー(落書き)防止用の素材が使われている。なお専用レーン確保工事のために900本の木を伐採したが、あらたに1200本の木も植林している。

  • メッス市は、ただ単純にBRTを導入しただけではなく、同じ時期にバス路線全体の抜本的見直しを行った。再編成の結果、現在では34路線が578KMのサービスを展開し、バス駅は1000を超える。216台のバスを走行させている。2010年で年間のバストリップすでに1600万もあった。(277KM2の面積に44のコミューンがあり住民人口23万人をかかえる都市共同体の予算は、約280億円。 都市交通の管轄機関となっている)。 都市共同体の中心都市のメッスの人口は12万人【東京都の中央区とほぼ同じ人口】だが、バス利用40万人くらいは、都市共同体を超えたさらに広い経済圏の住民が利用しているとみられる。 このバス交通全体の管轄機関の対象人口は23万人だが、日本では茅ヶ崎市くらいの規模で、どうしてこのように充実した公共交通路線が上手く利用されているのか、は考えるに値すると思う。

こちらは連接バス・BRTと見間違うが専用レーンが無い(堂々たる姿の連接バス。BRTと見間違うが専用レーンが無く自動車と共通道路上を運行)

  • メッス駅の正面に大きく展示している写真は日本の建築家坂茂氏とフランスの建築家、ジャン・ドゥ・ガスティーヌ氏が設計した、パリにあるポンピドゥー・センターの分館、ポンピドゥー・センター・メス。 分館と言っても本館よりも大きく新しい施設は5,000平方メートルの展示スペースを誇り、周囲には2つの庭園と緩やかな傾斜のテラスがある。 展示スペースを含む10,700平方メートルの建物全体は素晴らしく2010年に開館した。この文化会館のデザインも、環境面や持続可能な開発基準を満たした建築で、センターの周辺地区で行われている都市再開発計画と一貫性が保たれている。是非機会があれば訪問してみてください。素晴らしい空間です。

メッス駅前に大きく展示されたポンピドーセンター分館のパネル写真とBRT(メッス駅前に大きく展示されたポンピドーセンター分館のパネル写真と連接バス)

  • メッスと言えば、昔『メッツ、ナンシーのロレーヌ工業地帯』と言われたが、まちの新しい交通手段のこのカラフルな色合いは、どちらかといえば暗いイメージのあったこの都市に、ヴィヴィッドなアクセント(BRT,連接バスともに、サプライヤーは異なっても、ピンク、イエロー、ブルー、グリーンのメッス市交通4色で統一している)を与えている。 新しい美術館で観光客も増え(30%がドイツ人)、かつてはやはり暗いイメージがあったストラスブール市が変わったように、メッス市も今そのイメージが変わろうとしている。

(左が連接バス、右がBRT)

(メッス駅風景。カラフルなバスがややもすればモノトーンな風景にアクセントを与えていることが、上の写真との比較で読み取れる)

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