・パリ市が環境保全という切り口から都市空間の再編成を大胆に進めてきていることは、すでに多くの機会にお伝えしてきました。来年のパリ市長選挙を控えて、益々、最近のパリ市内の緑化整備(街路への植樹、ローターリー広場の緑化など)や、モビリティの再編成(車道を歩行者専用道路に転用、或いは自転車専用道路の整備)のための工事が、至る所で目につきます。中でもパリ市庁舎前の広大なスペースの大がかりな再整備が現在進行中です。

© Claude Abron /Place de l’Hôtel de Ville 1977年のパリ市庁舎前広場。そんなに遠い昔のことではない。(市庁舎はこの写真の左側)

2022年夏のパリ市庁舎前広場。2023から2024年はヤシの木のポットを除去してパリ五輪の大きなロゴが設置されたが、広場の大部分は石畳のままの空間であった。

2025年3月のパリ市庁舎前の工事現場。工事の柵もかなりお洒落です。手前のパネルはZTL. 通り抜け車は走行禁止ゾーン。

工事柵の合間から見える整備景観。かなりの植樹を行うことが伺われます。

工事内容は分かりやすいように、完成図のイメージと共に、市民に伝えます。工事はオリンピック終了後の2024年10月から始まり、今年の6月には終了予定。

2500平方メートルの緑化ゾーンを設け、20000本の灌木や花々など。大きな木は90本植えるとあります。総予算は600万ユーロ(約9億6千万円・1ユーロ160円として)で、調査、プロジェクト設計、実施されるすべての作業(植栽、舗装、照明など)が含まれる。

QRコードを読み取ると、パリ市が行っている「生物多様性確保のために緑化施策」の内容詳細を知ることが出来ます。
- この夏には涼しげな憩いの場となる市庁舎前広場を見ることができるでしょう。緑化はパリ市が行っている気候変動への対策の一つで、同時にシェードを設けたり、噴水や公共空間における 飲料水供給拠点を提供、或いはビームプラットフォームなどを街中に整備して、コンクリートから、水・緑の涼みの景観への移行を図っています。

2023年夏、セーヌ河畔の歩行者専用道路に整備されたビーム。(2024年河畔は五輪ゲームの観客席として利用されたので、例年のパリビーチ整備は見られなかった)
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