・かねてからナント市の「Voyage a Nantes」については、多くの機会で紹介してきた。2012年から毎夏行われている野外アートのイベント、「ヴォワイヤージュ・ア・ナント(ナントへの旅)」のプログラムのレベルの高さには定評がある。都市そのものを劇場とみなして、大がかりな複数のインスタレーションアートを中心市街地の複数の広場に設置し、美術館に足を運ばずとも住民が芸術作品を鑑賞できる。コロナの間も続行され、今年も7月6日から9月8日まで(ほぼフランスの学校の夏休みと同じ時期)に開催された。
・本年のテーマは「都市における木」で、街の中に設置された作品を通じて、「都市と自然」についての考察をそれぞれが行うことを意図するイベントと説明されている。
・今年は、駅前の公園や、産業遺産地区ナント中ノ島での展示では、過去のイベントで人気のあった作品を再展示する姿もあった。
・さて、交通先進都市の一つであるナント市(フランスで1987年に初めて近代的なLRTを導入した。しかし、完全低床車両ではなかったので、日本では1994年のストラスブール市の導入の方が有名)では、いつ行っても、モビリティに関して新しい発見がある。
・今回はつい最近、運行オペレーター事業者の名前が長年の名称TANからNEOLIBに変更され、そのメッセージを電停などあらゆる処で見た。実際にはまだ旧名称のTANと混在しているが、徐々に新しくなるのだろう。従来の公共交通運営に加え、今後はレンタルバイク(かつてのBicico)や駐車場管理も含めてトータルでモビリティを管轄してゆく。
・最後にすっかり様子が変わった、ナントの交通結節拠点コメルス(COMMERCE)駅、ナント市の中心部では最も人の出入りが多い拠点(2024年6月撮影)の一つ。かつてはコンクリート平面であった、電停と建物の間に1年以上かけて植栽空間を設け、本当に「都市の中の緑」を再現した。そして、従来進めてきた厳しい駐車規制の結果、本当に都心に車を、見かけなくなった。
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