ページを選択

小さな自治体も音楽祭を企画するフランスとNPOの役割

04 07 2017 | Actualités ブログ記事, Angers アンジェ, Urban Planning まちづくり

  • 音楽祭は、夏至の夜に開かれる大掛かりなものばかりではない。人口が1万人以下のコミューンと呼ばれる最小の行政単位が30000もあるフランス。そんな小さな自治体でも、夏の間はさまざまなイベントが企画される。
個人の邸宅の庭先で行われたピアノ・コンサート。午後の間、何人かのピアニストが演奏。ジャズやモダンな演目が多かった。

個人の邸宅の庭先で行われたピアノ・コンサート。午後の間、何人かのピアニストが演奏。ジャズやモダンな演目が多かった。聞く人は思い思いの格好で、芝生に横たわる人も。

庭の先はロワール河

庭の先はロワール河がゆったりと流れる

こちらが、コンサート切符売り場。イベントは3日続きで、村の広場や個人宅の庭で、演奏会が開かれる。通しチケットで、たとえば3コンサートで一人1300円くらい。

こちらが、コンサート切符売り場。イベントは3日続きで、村の広場や個人宅の庭で、演奏会が開かれる。通しチケットで、たとえば3コンサートで一人1300円くらい。

 

広場を利用したステージ

広場を利用したステージ

  • 自治体の規模が小さい場合、Association と呼ばれるNPO市民団体がイニシアティブを取り、その活動に対して自治体が補助金を出すケースが多い。簡単に「アソス」と呼ばれるNPOには、スポーツ振興、文化活動、教育、福祉などあらゆる分野の協会があり、社会に貢献する団体も多い。自治体もアソスの活躍を高く評価しており、たとえばアンジェ市では自治体予算の16%が、NPOへの補助金交付にあてられている。
  • 一人で複数のアソスに参加する人もいるが、1600万人(全人口は6600万人)という参加人口は巨大だ。また日本ではNPOというとボランティアを想像するが、確かに会長と会費を納める会員はボランティアだが、活動を実現するために人を雇用する団体も多く、フランスの労働人口の5%がNPOで、給与所得者として就労している。これがフランス流の、市民が主役となり、市民が行う「まちの賑わいを創出する」ためのイベントである。こうした文化、スポーツイベントの多様性が、都市や村の魅力度を増している。
音楽祭のプログラムもちゃんとある。

音楽祭のプログラムはNPOが作成するが、中には補助金を交付している行政団体や地元の銀行の名前などがみられる

ロワール河支流の橋渡し。この移動橋?のメンテナンスも、周辺区域の「川辺自然保存NPO」の会員が行っている。

ロワール河支流の橋渡し。この移動橋?のメンテナンスも、周辺区域の「川辺自然保存NPO」の会員が行っている。

増水すると渡れなくなる橋で、夏の週末だけ、川を渡って中ノ島に市民はピクニックやサイクリングに出かける。

増水すると渡れなくなる橋で、夏の週末だけ、川を渡って中ノ島に市民はピクニックやサイクリングに出かける。

フランスの地方ではまだ残っているポプラ並木の道路。夜間の事故防止で、木が切られた時代もあった。

フランスの地方ではまだ残っているポプラ並木の道路。夜間の事故防止で、木が切られた時代もあった。

[:]

カテゴリー

0コメント

コメントを提出

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です