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イタリア政府が自転車購入資金60%を援助!進む自転車利用推進策

30 05 2020 | Actualités ブログ記事, Bicycle 自転車, Milano ミラノ

5月4日から始まった段階的なロックダウン解除から約1か月。6月3日からはいよいよ州を超えた移動が可能になり、EU圏内の諸外国との往来も始まる。5月30日、イタリア全土で陽性者は221名(検査全体数の1.2%)で、そのうち70%をロンバルディア地方が占め、ミラノ市内(ミラノ市人口130万人)の陽性者は32名。公園に子供たちが戻り朝市は以前と同じく買い物客で一杯で、少しずつ日常生活が戻ってきているが、観光客が多かった市内中心部は相変わらず人影が少ない。地域に密着した小売店には人が戻ってきているが、ミラノの中心地にあるDUOMO付近の店舗は観光客対象が多いせいかほとんど人は入っていない。

ロックダウンの時にお馴染みになった、人気がいないDUOMO広場の景観。残念ながら現在はまだ以前の活気が戻っていない。

いつもは人で一杯のスフォルツオ城前の広場。国際線が開通して観光客が戻ってくるまでは、多分この景観がつづくだろう。

静かなお城の中庭の昼下がり。

そして街の中心街を走るトラム。この路線ではロックダイン以前は、日中でも利用客が多くほとんどの利用客が立っていた。

それでも、イタリア人が好きなパサジェッタ(夕方にぶらぶら歩く習慣)の時刻、午後6時くらいからは、仕事を終えた人たちが街路に戻ってくる。確かにすでに日中の日差しが強くて、午後5時以降くらいからが快適な時間帯で、アペリティーボ(食前酒)を楽しむ地元の人たちが馴染みの店舗でくつろいでいる姿が見られる。

自転車やバイク、あるいは徒歩で訪れることが出来る距離に住んでいる人たちが客であることが分かる。空が明るいが夜の8時。ピンクの自転車とキックボードで子供たちもアペリティーボ。フランスと違って、イタリアではレストランに子供を同伴する風景が普通にみられる。

さて、お天気がいいこともあり、街中に自転車があふれ出した。新しい自転車専用道路の整備も進んでいる。

イタリア政府は自転車利用推進のために、上限額を500ユーロとして、自転車購入資金の60%を支給すると発表した(ただし、人口5万人以上の自治体住民が対象)。今街中の自転車屋さんやスポーツ用品取り扱い店では、注文した自転車が届くのは9月で、現在では新規注文も取らない、というくらい空前の自転車ブーム。私は昨年の夏から日常的に自転車でミラノ市内を移動しているが、確かに自転車で移動している人が増えた。同じように自転車利用を推進しているフランスでは、古い自転車を自転車店舗で修理した際、国が50ユーロを負担する(細かい!)。自転車店舗が修理費用から50ユーロを差し引き、国が店舗に支払う手順となっている。

新しい自転車レーンの地図はこちらをクリックしてください。ミラノの自動車道から自転車道路への転用

さて、こういった道路空間再編成のプログラムは、市当局が発表しているコロナからの復興プラン「MILANO 2020」の一環である。ミラノ市のホームページでは市長のビデオメッセージ付きで、プロジェクトの内容を説明し、また市民がそのページから直接ミラノ市に意見や質問を送信できる(4月27日から5月31日まで)コーナーも設けている。ローコストで暫定的な形で都市環境の改善をしてゆく、こういった「戦略的な都市計画」を、市長が直接市民に語ることで、政治主導で都市の在り方の方向性を提示している。

ベネチア通りの自転車専用レーン整備と、30ゾーンの整備は5月18日時点ですでに完了。

塗りたてペンキの道路。身障者スペース、荷物の搬入搬出スペース、レンタル・スクーターやキックボードのパーキング・スペースなど細かい所まで、道路空間を再配分している。車道は2本、ここでは消却された。

ミラノは欧州でも屈指の大気汚染都市で、環境対策として都心に侵入する車に税をかけたり、自転車政策も進めてきた。だから一連の動きは、従来の都市計画の流れを汲んでおり、コロナがその動きを加速化させたと言える。しかし公共交通利用の安全性のアッピールも怠っておらず、ミラノにある113の地下鉄の駅、1600台の車両(バス・トラムを含む)を、総勢100人の清掃スタッフが消毒していることを伝えている。

ベネチア通りから北にある、ブエノスアイレス通りでの、自転車専用レーン整備工事が始まっている。このように小さなコーンを置くだけでも、自動車のご侵入を防げる。この通りはミラノ中央駅に近く、普段は観光客で賑わうショッピングストリートだ。

 

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