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暑中お見舞い申し上げます。Covid-19と共存する欧州の夏 2

20 08 2020 | Actualités ブログ記事, Bicycle 自転車, Milano ミラノ

日本は異常な暑さが続くようですが、お盆休みも終わり、いかがお過ごしですか? 8月15日はAssomption (聖母の被昇天(せいぼのひしょうてん)祭。聖母マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴って天国にあげられたという信仰、あるいはその出来事を記念する祝日。フランスではこの8月15日を境に、人々はバカンスから少しづつ都会に戻ってくる。

イタリア語ではFerragosto、語源は「8月の休息」。ローマ時代は初夏と秋の二つの収穫作業の間の休息の期間だったそうだ。時を経て、ファシスト政権下では、電車で移動する人のための割引を実施した。これらは「フェラゴスト列車」と呼ばれ、イタリア人が都市から脱出するために、多くの場合、最初の旅行として海や山に遠出した。これが今でも続き、大半の都会人が必ずバカンスに出かけるのがこの8月15日前後。日本のお盆休みのように、都会から家族のいる田舎に帰る人も多く、家族と一緒にいる大切な機会だ。地方それぞれのお祭りがあり、花火、パレード、行列など、町は独自の方法でこの日を祝う。トスカーナ地方では鳩のローストが、ローマでは鶏肉の唐辛子和えや豚レバーのフェットチーニなどが8月15日のご馳走のようだ。そこでミラノのような都会は、このような景観になる。

本当に誰もいない。車も走っていない。

ロックダウンの時よりも静かだ。イタリア人もフランス人に負けないくらい、コロナがあっても何でもバカンスに出かける(勿論、ロックダウンでもテレワークができて減給がなかったホワイトカラーと、現場への移動が必要な職種の就労者との格差はある。イタリアでは低所得者層にバカンス小切手500ユーロを支給した)。ロックダウンの時に営業していた薬局、クリーニング店、パン屋や野菜・果物店などの食料品店などすべて閉店。勿論カフェもレストランも、DUOMO広場周辺以外は店を閉めている。スーパーマーケットだけが営業している。

公園もひっそりと。でも緑は鬱蒼としてきた。シェアバイクのBIKEMIの駐輪ポールに、消毒用のアルコールジェルが備え付けられているのに気が付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

欧州はコロナ感染第二波に備えつつある。イタリアでは空港で、陽性率が高く感染者の多いスペイン、マルタ、クロアチア、ポーランドからのイタリアへの帰国者(入国者)には、全員空港でPCR検査を義務付けた。午後18時から午前6時まではマスク着用が義務付け。

フランスでは8月17日から、大半の都市で、一日中、外でもマスクの着用が義務付けられた。観光産業支援のために、バカンスに出かけることは、それぞれ国を挙げて推奨されたが、これからやって来る(もう来ているが)感染拡大に備えて、政府はあらゆる対策を練っている。地理的に範囲を決めたローカルなロックダウンもあり得るかもしれない。しかし、感染者数が増えているが、現在は重症患者数や死者数が低いままであることも鑑みて、「この春のような国を挙げての都市封鎖は、経済的なダメージが余りにも大きいので、もう繰り返されることはない」、と現時点では国民は希望している。

バカンス先の一つ、シチリア島のパレルモの夜は、若者や観光客で一杯だ。すでにフランスもイタリアも、ディスコに閉店の指示が出された。休業補填はあるが、この業界にとっては厳しい展開だ。若者たちが朝まで踊れる夏は短かった。

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