- 2021年度の最終号3月号では、フランス環境省と公共交通及び鉄道企業ユニオンの2021年末発表の報告書を元にして、2020年のフランスの運輸と経済を図表で示し、運輸の全体像を紹介しました。
- まずコロナ禍下における2020年にGDPが7.9%減少したフランス経済を俯瞰し、供給面から2020年までの運輸インフラストラクチャーを見て、次に需要面ではコロナによりどのような影響があったのか、鉄道、航空、都市内交通、自家用車等のフランス国内の旅客輸送量を見ます。やはり旅客輸送量で最も減少したのは航空移動で69.8%の減少(国内、海外を含む)で、中でも国外への移動旅客数は2020年に90%減少し、国内移動では56.8%減少しました(輸送人キロでは55.4%の減少)。鉄道の旅客輸送量は2000年は592億人キロで、前年度と比べて41.9%減を記録しました。中でも長距離輸送ではTGVが42.3%減少しました。
- 都市内公共交通の輸送人キロは、全体として41.5%の減少で、パリ首都圏では45%減少、地方都市では31.2%の減少。公共交通手段の中では地下鉄輸送が最も大きな影響を受け、49.7%の減少を記録しました。
- 運輸の変化が環境にもたらした影響
- 2020年には、フランス本土の道路網の交通量は16.9%減少し、リモートワークの拡大や経済活動の停滞、旅客及び貨物輸送が縮小した結果、「フランスで道路上の交通量全体が減少した2020年は、地球温室効果ガスの排出量が9%減少した」とエコロジー移行省は発表しまた。交通事故による死者数は2,706人で、20.6%の減少をみたことも2020年の良いニュースです。
- そして「運輸と経済」3月号はEU特集です。そのEU規制(欧州議会が2021年4月に導入した気候変動対策法の新しい措置)に従って発表された、旅客輸送の中でも大きな位置を占める自家用車について、フランスが新しく打ち出した広告規制(2021年12月28日アレテ・政令による)について紹介しました。
- フランス政府は2022年3月1日から、車販売に関するすべての広告に「短距離移動には、徒歩か自転車を優先してください」「ライドシェアを考えてください」「毎日の移動には公共交通を利用してください」のうち一つのメッセージを付け加えること、また必ず、「#汚染度の少ない移動」の掲載を義務づけました。3月1日以前の広告には反映されないため、まだそれほど目にしませんがが、今後の動きに注目します。
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