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  • さて「運輸と経済」6月号は、「コロナと共存するフランスの公共交通」第3回です。

  • 5月号ではフランス政府がコロナ禍下において、当座の運営資金として2020年度第4次補正予算で約2,438億円を、都市内公共交通を運営する地方自治体に融資する政策をまとめたことをお伝えしました。6月号では、運営への支援だけでなく、将来の成長に向けた地方都市が行う投資をも支援するフランス政府の政策を紹介しました。ここから見えてくるのは、「公共交通は都市経済の要であるから守るべきだ」という国全体のコンセンサスです。

 

 

  • 日本国内で公共交通の危機が大きな課題、問題となっている今、フランスではその経営をバックアップするばかりか、地方都市がさらにその都市内公共交通(LRT,BRT,路線バス、交通結節拠点や自転車利用促進のための整備等)への投資をためらうことのないように後押しをする補助金交付を2020年12月に発表しました。これはフランスでは第4回目の、地方都市の公共交通投資に対する支援策です。6月号では、2008年、2010年、2013年の過去の政府支援の実績を紹介することによって、人口規模の小さな地方都市も積極的に公共交通を市街地に導入してきた経緯を紹介しました。

 

  • これらの補助金の特徴は、フランス政府の公募に対して自治体が応募し、それらの計画内容をフランス政府が審査するシステムを採用していることと、また、一旦補助金が交付されれば用途・目的が限られておらず、自治体は対象のプロジェクトの範囲内であれば比較的自由に補助金を使え自治体の裁量度が高いことの2点です。最新の第4回補助金申請要綱の内容を紹介して、実際にどのように補助金を申請するのか、そのプロセスの一部を示しました。

ビアリッツ、バイヨンヌを中心とする人口30万人のバスク都市圏共同体で、地域内を25Kmにわたって走行する長さ18mのBRT(高速で走行する高機能バス)。このようなBRT導入事業にも国の補助金が活かされている。

 

  • こういった公共交通を支えるフランス政府の姿勢の根本の哲学となっている、フランスの交通に関連する今までの法律をまとめましたが、次の7月号は2019年12月に新しく制定された「モビリティ基本法」についての紹介をします。

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