- 音楽祭は、夏至の夜に開かれる大掛かりなものばかりではない。人口が1万人以下のコミューンと呼ばれる最小の行政単位が30000もあるフランス。そんな小さな自治体でも、夏の間はさまざまなイベントが企画される。
- 自治体の規模が小さい場合、Association と呼ばれるNPO市民団体がイニシアティブを取り、その活動に対して自治体が補助金を出すケースが多い。簡単に「アソス」と呼ばれるNPOには、スポーツ振興、文化活動、教育、福祉などあらゆる分野の協会があり、社会に貢献する団体も多い。自治体もアソスの活躍を高く評価しており、たとえばアンジェ市では自治体予算の16%が、NPOへの補助金交付にあてられている。
- 一人で複数のアソスに参加する人もいるが、1600万人(全人口は6600万人)という参加人口は巨大だ。また日本ではNPOというとボランティアを想像するが、確かに会長と会費を納める会員はボランティアだが、活動を実現するために人を雇用する団体も多く、フランスの労働人口の5%がNPOで、給与所得者として就労している。これがフランス流の、市民が主役となり、市民が行う「まちの賑わいを創出する」ためのイベントである。こうした文化、スポーツイベントの多様性が、都市や村の魅力度を増している。
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