- ナント市も近隣の24自治体と都市共同体【人口58万人】を設立し、交通行政にあたっている。都市共同体が政策主体、第3セクが運行主体、という構図はストラスブールと全く同じである。1985年に導入したアルストム社のトラム車輌編成がまだ46編成走っているが、当時は完全低床車輌が存在しなかったので、プラットフォームと車底の間は62cmあり3ステップ踏んでトラムに乗るが、必ずスライドが出る車輌が編成にあるので、ベビーカーや車椅子も次の車種が来るのを待つ必要はない
。あと10年は現役で稼動させることができる 、との話を聞いた。LRT1985年開通時の利用者は44000人だったが4年後には65000人に達し、大変な成功をおさめた。その後、時代を追って路線距離が43Kmまで延長され、車輌も2000年にはボンバルディエ社の車輌を購入(現在は33編成)、2012年にはスペインのCAF編成を12編成購入している。これは今年開通したブザンソンでも導入された。だから、ナントに行くと現在3つの異なったタイプの車輌を見ることができる。
一日にトラムだけで約27万トリップがあり(トリップ数ではストラスブールよりやや少ないが)、現在では線路距離、83という駅数からみてもフランスで一番規模が大きいLRT運行を行っている。
- また、ナント市LRT電停にある数多くのピクトグラム【絵文字標識】が、大変印象的だったので幾つか紹介したい。
日本とは交通文化?が異なるので、少し説明すると、フランスのどの都市でもトラムは通過する際に、やさしい鈴の音のような注意を促す音を奏でる(クラクソンというのはいささか語弊がある)。また都心ではトランジットモールが大半なので、歩行者はLRT線路を自由に横断しているので(線路上を歩いていることも普通に見られる風景)、上記のようなスローガンにつながる。また、フランスでは歩行者と自動車運転者、或いは自動車運転者同志のアイコンタクトが大変重要で、【余りよくないことだが、赤信号でも堂々と横断する歩行者もよく見かける】、たとえ信号があっても、右から来た車に先を譲る優先ルールがあっても、「あくまでも最終判断は自分の目で行う」、という交通行動が一般的だ。だから、たとえば停車しているトラム車輌の前を横断する時も、自分の姿がトラム運転手の視界に入っているかどうか、自分で確認することを進めている。
左図・「トラムのクラクソンが聞こえたら、一旦止まります」 右図・「線路に近づいたら、運転手 が私に気がついているかどうか確かめます」
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