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  • 現在21都市でBRTとみなされるバスサービスがある。人口が10万人以上で多少とも名前が知られている都市としては、クレルモン・フェラン、ディジョン、リール、メッス、ナンシー、ナント、ツールーズ市などがあげられるが、いずれもBRTだけでなく地下鉄やLRTなど、他の専用軌道を持つ公共交通手段との併用が成されているケースが多い。又、都市によっては “専用レーンが少なくとも70%” という条件を必ずしも満たしていない路線もある。 (BRTの定義については、https://www.fujii.fr/?p=3269)  しかし、従来のバスよりも格段に利便性の高いサービスを供給していることには間違いがない。 ヴィジュアル的にも、これまで見てきたように、LRTかと見間違うほどのモダンさを備えている。 これからは人口10万人以下の自治体でのBRT導入が益々進むであろう。
  • 政府が発表している数字にすでにその傾向がうかがわれる。2008年に国は38の自治体に専用軌道系公共交通導入のための補助金 8億€ を交付した。フランスは国の発表する補助金の予算に対して、各自治体がプロジェクトを携えて入札する形をとっている。50のプロジェクトに補助金が交付され(1つの自治体が幾つものプランを入札する場合があるので、企画数が自治体数より多くなる)、その結果450Kmの公共交通ネットワークが完成した。 内訳はLRT215Km, BRT150Kmであった。
  • 2010年、2011年の『環境グルネル法』といわれる法律の制定後、さらに一層の環境保存のアプローチとして、軌道系公共交通の大幅拡充が基本方針とされ、2011年には5億9千万€の補助金予算が発表された。何と54 の 自治体が名乗りをあげ、78のプロジェクトがその対象となった。補助金の全体額は減少したが、完成した公共交通網は622Kmと前回を上回った。なぜか。それはLRTが152Kmに対して、BRTが456Kmも導入されたからである。つまり前述の21都市の多くがこの時期にBRTを導入している。ちなみに、フランスでは政府の補助金がプロジェクト予算全体額の25%を超えることはない。
  • さて、スタンダードな連接バス、トロリーバス、BRTを含めて、フランスで圧倒的なバス運行を誇っているのが、リヨン市だろう。都心にはBRT 26路線が走り、一般バスは153路線もあり、年間1億以上のトリップを数える。また、リヨンには主要路線にトロリーバスが多いのも特徴だ。

写真下・すれ違うBRTトロリーバス(架線からの給電・左)と連接バス。リヨンの場合は同じ道路上の専用軌道にLRTも走行しており、各種の公共交通が行き交う様は圧巻だ。リヨンのLRTは以下の頁をご参考に。          https://www.fujii.fr/?p=962 https://www.fujii.fr/?p=972

  • ストラスブールのBRTと連接バスについて・BRTでは後発組となったストラスブール市のBRT・G路線(2013年11月開通)については、https://www.fujii.fr/?p=2816

25m近い車体にドアが4つもあるとバスとはいえ、LRTと変わらないボリュームです。(ストラスブールのLRTは30mと45mの2タイプ)。クルマ椅子スペースの前のドアに、車椅子のマークがあり、ボタンを押すと、車体からスライドがバス停に伸びてきて、介添え無しに、車椅子利用者は簡単にBRTに乗ることが出来ます。

  • この上のBRTのBODY写真と、下の連接バスの車体を見比べていただくと、BRTバスの車体の透明感に気づかれる方が多いだろう。LRTのように、BRTも座席に着席した折に、膝くらいまである大きなガラス窓がもたらす明るさが、デザイン上の大きな特徴の一つになっている。最後に、下写真の連接バスですが、この春にストラスブールで新しく登場した素敵な車体デザインに驚きました。こちらもバリアフリー車体です。

ストラスブール市出身の画家トミー・ウンゲレールによるデザイン。

こんなデザインのバスにはすぐにも乗りたいと思わないか?! 私は見とれてしまいました。

バスの新しい形をみてきましたが、バス、BRT、LRTの境界線がますまず近づいてきました。次はバスなのかLRTなのか紛らわしい、ゴムタイヤトラムについて。【続く】

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