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2022年11月29日 国際交通安全学会IATSSの第8回国際フォーラム

26 01 2023 | Actualités ブログ記事, Conférences 講演, PDU 都市交通計画, Public Transport 公共交通

・ポストコロナ時代の「価値を創造する交通文化」

・国際交通安全学会IATSSの第8回国際フォーラム(GIFTS; Global interactive Forum on Traffic and Safety) に、パネリストとして参加させていただきました。

・開会挨拶は武内 和彦先生、 趣旨説明は中村 彰先生、 基調講演は中村 文彦先生。 ドイツからのズザンネ・エルファディン博士(Susanne Elfferding )。タイからのピムスク・サニッ博士( Peamsook Sanit )と私は、簡単な自己紹介と、パネリストとしてラウンドテーブルに参加させていただきました。当日は残念ながら中村先生はZOOMでのご参加でしたが、ご講演、活発な質疑応答と3時間にわたるセミナーとなりました。

・(フォーラムのご案内より)テーマ: 価値を創造する交通文化 2020年1月頃から新型コロナウイルス(COVID-19)が世界を席巻しはじめ、早2年が経とうとしています。コロナ禍では日常生活において様々な制限が発生しました。その中でも移動制限は最も顕著な制限の一つと言えるのかもしれません。そしてその様なコロナ禍の影響を通して、移動を含む都市の生活の大前提に安全な環境があること、世界中の人々に移動そのものから得られる効用が再認識させられました。 人は人と繋がり、まちや文化を形成することで自身或いは地域・社会の創造性を高めていきます。まちの在り方、モビリティーの在り方が人の創造性を左右し、まちの価値自体を変えていくのです。暮らしや移動から得られる“正“の効用の価値基準は、個性があり、地域性があると考えます。

会場にも多くのご参加者がみえられましたが、オンラインでも300人のご参加があったそうです。内容は以下で公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=TvTx2nXZix4

・ところで、モビリティー或いはまちづくりを語る場合、2つの側面があります。交通事故、環境汚染、駐車場問題と言った“負”の側面と、移動することの喜び、楽しみ、豊かな生活の実現といった“正”の側面です。未来の都市の在り方を語るにあたっては、“負”の側面をいかにして減らしていくかという視点とともに、その安全な環境の中で、まちでの暮らしや移動そのものから発生する“正”の効用をいかに大きくしていくか、ということも同時に考えていかなければなりません。 過去、私たちはGIFTSを通して、交通事故死者ゼロや、それを実現するための社会、システム、都市の議論、つまり、“負”の側面を減らす議論をしてきましたが、今年度のGIFTSでは、アフターコロナも見据えつつ、上述した“正”の効用の側面から、理想的な交通社会・まちづくりについて議論が交わされることを期待しています。そして、2年後のIATSS創立50周年では、それら”正“、”負“の両側面を踏まえた理想的な交通社会の実現に向けた提言を目指したいと考えます。

・翌日は国際交通安全学会IATSSの第8回GIFTSワークショップにも、オブザーバーとして参加させていただき、交通だけでなく多領域の先生方との大変充実した意見交換、密度の濃い時間を共有させていただきました。ワークショップでは順天堂大学の谷川先生、中央大学の中村彰宏先生、東工大の小川先生、東大の上条先生のそれぞれ非常に興味深いご研究発表があった。その後のディスカッションでは、千葉大学の鈴木先生、東京大学の太田先生、千葉工業大学の赤羽先生、埼玉大学の久保田先生、日本大の福田先生、名古屋大学の中村英樹先生、法政大学の今井先生、大阪市大の吉田先生、東大の北村先生のご研究発表もあり、30年前から行われてきたモビリティに関する諸研究を俯瞰しつつ、現在の潮流を学ぶという、大変贅沢な3時間を過ごさせて頂いた。年代も大学も異なる、これだけの交通の専門家が集まってご研究成果をお話される機会は、コロナで学会開催がなかった近年は少なかったのではないだろうか。わたしにとっては素晴らしい時間であった。

・ワークショップに参加させていただいた感想としては、国際貢献、若者の育成、学際性といった特徴をもったご研究が多いことが印象的であった。モビリティと連携した都市計画には、領域を超えた有識者の協力が必要であり、行政や自治体と協働することで、都市計画が進むことに必要な支援をIATSSが提供していると感じた。

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