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トランジットモールと事故 (立命館大学での質問1)

03 12 2012 | Actualités ブログ記事, Conférences 講演, Debate 講演会での質疑応答, LRT, Tramway-路面電車, Urban Planning まちづくり

立命館大学の学生さん達から、行政の人たちとは又異なる観点からの、興味深いコメントや質問を多く頂いたので、紹介してゆきたいと思います。

  • 地域の目

トランジットモール化』することで、日本の昭和のような、『地域の人の目』というものが、良い意味で再構築されるように思います。 危なかっしいことをしている子供がいれば、誰かが気がつくでしょうし、それはお年寄りに対しても一緒です。ですからトランジットモールは危険だ、という前提で、それを禁止し続けるのは安易な考えであると思いました。」

トランジットモールについての、私は思ってみなかった見方です。素敵ですね。日本では「道路交通法第8条」で、路面電車が人と並んで走行することが禁じられている。そういえば、フランスではごくあたりまえの風景、トランジットモールが日本の路面電車都市にはない。路面電車と歩道の間に必ず車道がある。

ちなみに『トランジットモール』という表現は欧州では通じない。余りにもこの形が普通なのであえて表現がないのか。・・・代わりに『道路の再配分』のような表現をする。つまり歩行者と公共交通だけが通ることのできる道路空間配分である。

ストラスブールではこれだけ至近距離で人とトラムが折り合っているが、事故はほとんどない。

至近距離の歩行者、自転車、トラムのトランジットモール

2002年から2009年の間に、トラムと人の接触案件が17件。交通手段別の100万回の移動に対する事故率は、公共交通0.6(バスを含む)、徒歩0.7、自動車2、自転車3.5、バイク51。いかに公共交通が安全かが分かる。

そして、日本のように、「車内で転んだ高齢者の事故の責任が、乗務員に課される」ということもない。信用乗車方式で、すべての扉から乗降できるので、動く車両の中を無理して、たった一つある運転手席隣の出口まで歩いてゆく必要もない。

そういえば、フランスで『曲がりますから注意してください』のような日本式の車内アナウンスは聞いたことがない。(そもそも日本の乗り物のように、頻繁な車内アナウンスが無い。すべての乗り物が新幹線のように静かだ。)通常、短距離の乗り物では 停車駅のアナウンスさえ無かったので、ストラスブールでトラムが開通した時、駅の名前を告げるアナウンスは、とても新鮮に利用者には聞こえたようだ。しかし、『携帯電話はお切りください』等のアナウンスは無く、ただ駅名のみ。アルザス語、フランス語、子供の声など、異なったヴァージョンがある。

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