ページを選択
  •  今日は乗り物としての快適性、「座れるかどうか」です。

質問・「路面電車とLRTの座席数は、LRTの方が少ないので、席が埋まっていて座れない場合が多いと思う。座席数に関してどのように考慮されているのだろうか?少なくとも広電は、既存電車よりもLRTに座れる確率が低い。」

この質問をツイッターで投げかけたところ、すぐさま回答やコメントを頂きました。

まず頂いたコメント

  • 広電を時々利用しますが、低床車は座席数が少ないので嫌いです。昼間の空いてる時間帯でも座れない。100%低床にこだわらなくてもいいと思います。

それに対して、堀切邦男氏から以下の丁寧なお返事が。

  • まず「LRT=日本国内の超低床路面電車」という解釈をその学生はされているような気がします。そうであると仮定して、日本は運賃収受の面から車内の通路幅を確保することが優先されるから、座席数が少なくなります。従来車より座席が少なくなることも。
  • 広電でいえば従来車両の3950形で座席定員66名だったものが、ほぼ同じ長さの低床車5000形では46名になりました。混雑する車内での通路確保のために椅子を減らした結果です。その後開発された5100形では座席定員増加にも配慮され56名になりました。

ちなみにストラスブールの33m車(3連結)の座席は66。43m車(4連結)の座席は92。いずれもボンバルディエ社のユーロトラムで。乗客収容キャパシティーはそれぞれ210名と292名。

新しいアルストム社のシタディスは45m(4連結)で座席が64. 乗客収容キャパシティーは 288名。混雑対策としては、ICカード乗車券で、利用者情報をオンラインで把握して、運行本数を管理していますが、それでも ストラスブール市でもラッシュアワー時では、通勤時の東京地下鉄と同じくらい身動きが出来ないほど混雑している。トラムは数珠繋ぎになって、駅に入るのは待っているほど運行させても。

  • 欧州と日本とで基本的な姿勢が違います。欧州は「多くの人に座っていただく」という快適性が重視されているように思います。だからどこの電車に乗っても2人掛けの座席を備えている場合が多いですよね。
  • それに対して国内事業者はこれまで採算が重視されてきたから、黒字経営でも混雑の激しい路線が結構あります。それに運賃収受も絡んで乗客の車内移動が優先されることになる。だから座席は二の次にならざるを得ません(もちろん事業者はそう言わないでしょうけど)。

必ず座れます この10月の写真

乗り物に関しての質問をもう一つ

  • 信用乗車方式などICによる管理チケット制は、町の規模や人口が少ないからできるのでは?

上記にも記したように、町の規模にかかわらずトラムが混むことがあれば、乗車チケットの管理は大きな課題として残る。信用乗車については https://www.fujii.fr/?m=201208 も読んでいただきたい。 人件費が日本に比べて割高なフランスでは、「乗務員」はチケット料金が高い長距離汽車にしか存在しない。たとえばパリから郊外に向かう通勤電車などでは、乗務員はいない。イギリスもドイツも、乗り物は基本的に「信用乗車」で「改札は無い」。乗り物に対するこの利用方法の違いは、よく考えると非常に興味深い。

カテゴリー

0コメント

コメントを提出

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です