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  • さて、ニースのトラムはマセナ広場の架線無し走行でも有名だが、フランス国内では斬新なデザインを施したプラナス(Planas)終着駅【2007年完成】が良く知られている。65000M2の広大な敷地に、駅機能、車庫、パークアンドライド、LRTの運転制御センターを配置したこの駅は、すでに2008年に「銀の盾賞」(Prix de l’Équerre d’argent)を受賞しているので、知る人ぞ知る「駅」である。また、2013年にはこの駅をデザインしたマルク・バラニ(Marc Barani)氏が、文化省の建築グランプリを受賞したので、バラニ氏の代表作品であるこの駅は今後ますます有名になるだろう。この駅は地中海を見下ろす高台にあり、地上階の駅からプラットフォームに下りてゆくエレベーターから、トラムの車庫全体がガラス越しに見える設計になっている。パーキング場も未来的デザインかつ実用的に設計されている。構想に5年、建築に3年をかけている。

トラムの車庫が建築グランプリの対象になることは、日本でもあるのかもしれないが、フランスではかつて、ストラスブール市の北部の駅も2003年のEU 現代建築賞を受けている。【写真下、ストラスブール市・ユナイム駅】

このほかにニース市でのLRT車両の中で、お洒落だなと思ったのは、駅の名前標示。それぞれの駅の近くにある建物の映像がアナウンスパネルに出る。広告宣伝は無いのですっきりとしたデザインで、さりげなく地元の観光案内にもなっている。

ニース市には1900年から1953年まで路面電車が走っていた。

紆余曲折を経て導入された第一路線は大成功で、今年の9月から第二路線の工事に入っていることはすでに述べた。(検索で「ニース」を入力すると、或いはテーマ一覧で、「ニー ス」をクリックすると、ニース市の交通政策に関するすべての記事を閲覧頂けます。)上の絵と下の写真は、ニース市の中心街・ジョン・メドサン通り(Jean Medecin)の昔と今。 かつても今もトランジットモールが街歩きの普通の姿であることが分かる。

ニースのLRTはストラスブールと同じく、アルストム社のシタディス。扉が両横に広く開くタイプで、車椅子利用客とベビーカー利用客が同時にすっとLRTに乗る風景にも出会った。

「どうするのかなー」と見ていると、当たり前のように二人順番にさっと入り、車両に綺麗に収まったので少し驚いた。写真を撮るのがやっとの速さだった。日本のバリアフリーは周りの乗客の支援か乗務員の介添えを前提とした場合が多いが、フランスでは広い車両ドアと完全低床車両のおかげで、各々が自由に出入りすることが可能になっている。

LRTがバッテリー走行するマセナ広場では9月中旬から始まる「フランスびいきフェスタ」の会場準備が進んでおり、広場の中心には巨大な金魚すくい?のような白い円形のスクリーン(になると思う)が幾つも設定されていた。会場準備の為にLRTも広場付近では単線になり、同じ線路上を双方向のトラムが走行していた。何度も来ているニースでも訪問のたびに、新しいシーンや建築物があり、ダイナミックなまちづくりを見ていると飽きない。

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