・地域によって違いはありますが、今、フランスはイースター復活祭の春休み。今年は復活祭は4月6日と早目でしたが、初春のストラスブールを訪れました。ちょうどカトリーヌ・トロットマン氏が市長に当選した直後です。写真(AIではありません)で最近のストラスブール市の様子を。
ストラスブール中央駅前の駐輪車台数は、圧倒的に増加。

中央駅に直結した地下のLRT駅。乗客よりも人数が多かったCTS(公共交通運行事業体)の車掌(信用乗車なので、検察員として駅から車内に乗り込み、チケットの所持有無を調べる)と、彼等をサポートする自治体警察のメンバーたち。不審或いは暴力的な反抗態度を取る無賃乗者から、CTS職員を守るために、チケット・コントロールに警察官を配置することが、フランスの地方都市によっては実施されている。CTS職員は本人確認の身分証明書を要求できないが、警察官はそれが可能であるため。中央駅で1年間以上長らく放置されていた天井漏れは修理されていたが、地上に続く長いエレベーターの故障はそのままであった。2020年からの前市政権下では、街中でこのようなメンテナンスの長期にわたる(LRTエレベターも1年半前から不通)不全が見られたが、今年の3月に新しい市政体制に代わり、どのように機能するだろうか?

LRTのラップデザインはどんどん派手になってきている。自転車搭載可能サインは、どのLRT車両にもある。

45メートルの車体だと、なかなかカメラに収まりにくい。

こんな公共交通なら乗ってみたい、という楽しいデザインが、LRTやBRTに採用されている。

地元出身デザイナー(トミー・ウンゲラー氏)の特徴あるデザイン。

春の兆し。ストラスブールの街中には歩行者専用空間が多いが、その中でも、Grand’ rue(大通り)と呼ばれるメインストリートには一軒もシャッターを下ろしている店舗がない。半面、ループ屋根で有名なLRT交通結節拠点である「鉄の男駅」近辺には、街を代表する街路にもかかわらず、6店舗ほど空店舗がこの2年ほど目立つようになり、コロナ以前には見られなかった残念な景観だ。

この道路はまだ車通行が可能だが、かつての30ゾーン(車の制限速度30Km/h)から現在では20ゾーンになった。地面のデザインは、一番大きいサイズの歩行者に優先権があることを示している。

クリスマスほどではないが、店舗のイースターのデコレーションも華やか。

日本では余り見かけないが、フランスは春に各地で大振りの木蓮が咲く。桜、椿、モクレンなどが一斉に咲くのが特徴。カフェに入ると、広くてゆったりとした静かな空間に、地元の年金生活者たち(午前9時だったので)が、楽しそうに朝食を取っている姿が印象的だった。

自転車や歩行者に侵入してほしくない線路上には、「危険。入るな」などのパネルや、柵を設けず、通行しにくい大きな石を敷設することによって、自然と侵入者がそのゾーンを避けるような工夫をしている。

蜂がシンボルのBRT(専用レーンを走行する信用乗車のバス)・G線は今では、中央駅を中心にして、北はビジネスパークまで(2013年)、南は運河沿いに東まで(2023年に完成)の全長10Kmを走っている。この蜂デザインは各ドアにも大きく描かれ、かなりインパクトがある。尚、なぜかストラスブールではBRTにタイヤホイールは施さず、他の都市のように「本当はバスだけれども、見た目はLRTのように工夫する」ことが見られない。これだけLRT路線が充実していると、バスをカモフラージュする必要もないということか。
バス停にも蜂デザインが溢れ、遠くからでも乗り場が分かりやすい。
2023年にストラスブールからかなり距離がある郊外まで伸びる、バス路線のバージョンアップラインとして導入されたクロノホップ・バス。「ただの」路線バスとはいえ車体は25mある。

ホップバスの路線図。既存のLRTやBRT駅との結節点にも工夫している。

中央駅からEU議会まで直通のLRTがないことをふまえて、導入されたEU議会までの3.2kmを走る直通電気バスH線。
・こうして見ると2020年から2026年までの緑の党の市政下では、バス路線の充実化が行われたことが良く分かる。LRTに関しては、2025年11月にF線が北に4Km延線されたにとどまる。もっともストラスブールのLRTの線路距離は53Kmあり、利用者数が見込める地域をすでに網羅しきっていると言って良い。
・一方、かつてストラスブールはフランスきっての自転車都市として有名であったが、デンマークの研究所での発表では、欧州の自転車都市(自転車が利用しやすく、利用者も多い都市)として、2025年ストラスブールは13位に転落した。例年コペンハーゲン、アムステルダム、ユトレヒト、ゲントが上位を占め、ストラスブールは5位くらいが長年続いていた。2015年に17位であったパリが、2025年には5位になった。地方都市ではボルドー9位、ナント10位となり、ストラスブールの自転車インフラが無くなったわけではないので、他の都市での整備がより上回ってきた、ということだろう。確かに、ストラスブールのあと立ち寄ったパリでの、自転車利用者数の方が多いように感じた。

EU議会の周辺のホテル、ビジネスパークの建設は順調に進んでおり、コミュニティサイクルVelhopの新しい駐輪拠点もバス停の隣に整備された。個人の自転車保有台数が多いストラスブールでは、パリのようなコミュニティサイクルはなく、自転車を停められる拠点が少ない(基本的にレンタルした決められた拠点に返却する)。

0コメント