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  • 合意形成【コンセルタシオン】 ではこういったマスタープランのたたき台となる将来のまちづくりの大まかなスキーム作りに、どのように市民の参加を促しているのかを紹介します。

フランスの場合、合意形成を得るための事前協議のステップが細かく規定されている(「ストラスブールのまちづくり」78ページから88ページ参照)。

そもそも事前協議とは「共通のプロジェクトで、複数の関係者が合意を形成するために取る活動全体」を指し、「利害が相反する関係者たちが、互いの見解を披露し、意見を交換する対立の場」を意味する。

フランスでは公共性の高いプロジェクトの公益性確保のため、市民が意見を表明する機会を、一連の事前協議のプロセスの中で法律が保障している。1990年代から合意形成に取り組んできたストラスブール市では、その事前協議の手法もこの20年間で大きな進化を遂げている。

ストラスブール市が2008年から力を入れている新しい合意形成の手法、「近接民主主義」(草の根民主主義)は、非常に細かく計画対象を分類している。市役所では「近接民主主義部」という新しい部局が市長直属で設けられた。〈赤字は渡辺氏文章〉

  • 近接民主主義の取組み(住民参画のまちづくり)

フランスの地方コミューンにおいては、2002年の「身近な民主主義に関する法律」によって、人口8万人以上のまちの各地区に地区評議会の設置を義務づけている。なお、地区分けの仕方やメンバー構成、運営方法については規定がなく、各自治体が自由な裁量で決定できる。

ストラスブールでは、近接民主主義の担当部局に約50人の職員を配置しており、まちづくりに限らない市民生活に係る全てのテーマを対象に、テーマ別や地区別に分けられたスタッフの連携による情報の共有化や合意形成のための組織運営を進めているそうである。

現市長のリス氏は、トロットマン市長がトラムを導入した際にトラムの導入を直接指揮した担当副市長であり、当時の住民の合意形成が充分ではなかったとの反省 から、市長就任とともにこの民意を取り入れる機能の強化を指示したとのことであり、市では以下の「アーバン・アトリエ」と「プロジェクト・アトリエ」の取 組み内容を決定するためビジョンや構想に18ヶ月を費やしたそうである。

これはストラスブール独自の工夫による最近の取組みであり、「自分たちのまちは自分たちで創っていく」という意識を醸成する取組みである。CUS提供の資料にあるように、市民参加型の協議会がf幾つかあるが、そのうち2つを紹介する。

(1) プロジェクト・アトリエ

個別プロジェクトに対し、公募により利害関係者や専門知識を有する60名程度のメンバーを含めて現在進行形のプロジェクトに対して意見を聴取しながら合意形 成を進める。事業の3~4年前から実施する。予算や土地利用の規制内容など基本原則のみが示されたほぼ白紙の状態から開始される。

プロジェクトによって景観やモビリティ、空間形成などのテーマ別に実施され、各テーマに対し15名程度に分かれて円卓で討議を行う。参加者の事業内容への理 解を高めることや利害関係の共有化が必要となるため、役所としての取組みをPRする場、啓発活動の場ともなっている。反対意見もプロジェクトを進めていく 上の問題点として解決策を図る一つの重要な要素として考えているようだ。

最終的な案は、市議会議員を入れて検討され、その結果は活動経過報告書にまとめられ、公表されている。

プロジェクトアトリエの対象項目 =大型都市計画・公共施設の整備・モビリティーと交通・公共、自然空間の再整備

プロジェクトアトリエの活動内容=情報開示会、討論、プロジェクト現場訪問、専門家による監査など

アトリエ紹介の冊子「何故アトリエ?」「どのように機能?」

具体的な活動、将来の方向、参加の仕方などが説明されている

  • 合意形成 ではこういったマスタープランのたたき台となる将来のまちづくりの大まかなスキーム作りに、どのように市民の参加を促しているのかを紹介します。

フランスの場合、合意形成を得るための事前協議のステップが細かく規定されている(「ストラスブールのまちづくり」78ページから88ページ参照)公共性の高いプロジェクトの公益性確保のため、市民が意見を表明する機会を、一連の事前協議のプロセスの中で法律が保障している。そもそも事前協議とは、

ストラスブール市が2008年から力を入れている新しい合意形成の手法、「近接民主主義」(草の根民主主義)は、非常に細かく計画対象を分類している。市役所では「近接民主主義部」という新しい部局が市長直属で設けられた。〈赤字は渡辺氏〉

近接民主主義の取組み(住民参画のまちづくり)

フランスの地方コミューンにおいては、2002年の「身近な民主主義に関する法律」によって、人口8万人以上のまちの各地区に地区評議会の設置を義務づけている。なお、地区分けの仕方やメンバー構成、運営方法については規定がなく、各自治体が自由な裁量で決定できる。

ストラスブールでは、近接民主主義の担当部局に約50人の職員を配置しており、まちづくりに限らない市民生活に係る全てのテーマを対象に、テーマ別や地区別に分けられたスタッフの連携による情報の共有化や合意形成のための組織運営を進めているそうである。

現市長のリス氏は、トロットマン市長がトラムを導入した際にトラムの導入を直接指揮した担当副市長であり、当時の住民の合意形成が充分ではなかったとの反省から、市長就任とともにこの民意を取り入れる機能の強化を指示したとのことであり、市では以下の「アーバン・アトリエ」と「プロジェクト・アトリエ」の取組み内容を決定するためビジョンや構想に18ヶ月を費やしたそうである。

これはストラスブール独自の工夫による最近の取組みであり、自分たちのまちは自分たちで創っていくという意識を醸成する取組みである。

(1) プロジェクト・アトリエ

個別プロジェクトに対し、公募により利害関係者や専門知識を有する60名程度のメンバーを含めて現在進行形のプロジェクトに対して意見を聴取しながら合意形成を進める。事業の3~4年前から実施する。予算や土地利用の規制内容など基本原則のみが示されたほぼ白紙の状態から開始される。

プロジェクトによって景観やモビリティ、空間形成などのテーマ別に実施され、各テーマに対し15名程度に分かれて円卓で討議を行う。参加者の事業内容への理解を高めることや利害関係の共有化が必要となるため、役所としての取組みをPRする場、啓発活動の場ともなっている。反対意見もプロジェクトを進めていく上の問題点として解決策を図る一つの重要な要素として考えているようだ。

最終的な案は、市議会議員を入れて検討され、その結果は活動経過報告書にまとめられ、公表されている。

プロジェクトアトリエの対象項目

大型都市計画

公共施設の整備

モビリティーと交通

公共、自然空間の再整備

活動内容

情報開示会、討論、プロジェクト現場訪問、専門家による監査など

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