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それでも「都心への転入者よりも、死亡人口の方が多いので、人口は横ばいになっている。」というお話(中心部ほど高齢者の実数が高い)に地方都市が抱えている危機感が滲み出ていました。

そこで、着眼したことの一つに「単身赴任ではなくて、家族で来てもらえる富山をめざす。」これも単身赴任はまだまだ普通の日本では、新鮮な発想です。そのために積極的に都会の人が見て何となくお洒落だと感じる工夫を取り入れているそうです。その中でも印象に残ったのが、花をテーマにした働きかけ。〈街中を花で飾るために年間予算5000万円〉「人を動かすのは、美味しいか、楽しいか、美しいか」

降車の際に、花束と無料乗車券を提示すれば、運賃が無料になる仕組みで、市内沿線沿いの22店舗の花屋が協力。何という気の利いた、そして車両の中もパッと明るくなるアイデア!

「いいことがあった日。花を買って電車に乗った。またいいことがあった。」というメッセージがポスター上に掲載されています。

デザインには他にもいろいろなアイデアを採用されていて、たとえば工事現場の囲いに、こんなお洒落な市民の写真を用いたデザインの仮囲い塀を作っています。まちへの愛着や誇りの醸成、建設される複合施設への理解や期待感の高揚、工事中の景観形成等を図るため、そして何よりも今都心部で何が起こっているのかという興味を惹起し、「ワクワク感」を醸し出すことが目的です。

市民が「次は是非自分の写真も載せて欲しい」と希望続出だそうです

地元の高齢者と若者を繋げる工夫も盛りだくさんで、「女子高校生とまちを歩く日には、おじいちゃんが喜んで多く参加される」というような楽しくて多くの示唆に溢れるアイデアを紹介されました。〈荷物が置ける高齢者用歩行補助クルマを、大学とコラボで開発して街中に配置〉。年を取っても安心して住めるまち、その安心感が若い者をも「このまちに住んでみようか」と思わせることに続きます。

以上、森市長のご講演内容より。

ご参加者の中には森市長のお話を聞くのは5度目、という方もいましたが、市長のお話内容は富山市の進展と共にどんどんヴァージョンアップしているので、何度聞いても参考になるとのこと。私も考えさせられました。

日本ではまだまだ「都市間競争」という言葉は頻繁ではないが、テリトリーが大きい欧州では、「いかに自分の自治体に産業を誘致し、人口を増やしてゆくか、発展につなげてゆくかが、最大の課題」です。この競争に勝てる自治体の首長は、先見的な都市経営の卓越したヴィジョンを共通して持っていることを、森市長のお話を聞いていて確信しました。「人口が減っているからこそ、先の世代に負担をかけないように、30年先を見据えてまちづくりの試石を打ってゆかねばならない」と森市長は何度も強調されました。

市長から頂いたお名刺のデザインもとてもお洒落で素敵で、デザインの富山市としてのあらゆる所への細かい配慮に感心しました。フランスの各自治体も、名刺のデザインで個性を競っています。日本の各自治体で名刺をいただくとデザインに整合性がなく、聞くところによると、自治体スタッフは営業職ではないので名刺は役所から支給されず自前で印刷するとか。だから、皆さん思い思いのデザインになります。やはり、ここはまちを作ってゆく自治体プランナーとして、まちのイメージが湧くようなそして統一性のあるロゴを搭載した名刺があれば尚更素晴らしいのでは。

最後に富山市の試みは世界でも注目されていることも知っていただきたい。OECD(経済協力開発機構)が世界各国を調査し、取りまとめた『コンパクトシティ政策報告書』の中で富山市の取組みが先進5都市の一つとして取り上げられました。

〔メルボルン、バンクーバー、パリ、ポートランド、富山市〕

森市長ご自身がおっしゃるように、「あんな地味な県が・・・?有名になり」、市民が自分の町に対して矜持をもつようになる。これはまさに、ストラスブールの市民が、自分たちのまちをとても誇りに思っていることにつながります。これからも富山市の展開、楽しみです。

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