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福祉政策と都市交通

服部重敬氏(路面電車同好会)

日本は世界でも例を見ない高齢化社会になるが、高齢者がまちに出て来れる都市を創る準備が必要です。外出するということは 認知症対策にもつながり、これから行政の大きな負担となる介護費用の抑制にもつながります。路面電車は輸送手段としてだけではなく、こういった福祉対策の一環としても、多様な角度からその価値をみるべきです。

塚本教授

少子化が進む世界で、都市間競争も激しくなるが、そこでは利便性に富んだ都市交通も一つの大切な要素になるのは?

服部重敬氏

ランドマークとして分かりやすいもの、使いやすい都市交通は市民にとっても会社にとっても良いものです。これが都市への企業の誘致につながることは、世界共通の認識です。

渡海奈槻氏 (大阪にLRTを走らせる会代表)

「日本でも早く自由に動けるようになりたい。」とのご発言がありました。以下、渡海氏の声明文を全文、ご紹介します。

「路面電車とまちの再生」チン電復権が持つ意味~障がい者の目線から公共交通のあり方

今日は、貴重なお時間をいただいてありがとうございます。私は言語に障害があるので、時間も限られていますので、今日は代読で進めさせて頂きます。今日、私に頂いたテーマは「障がい者の目線で公共交通のあり方」です。

私を見て頂いたらわかるように電動車いす利用者なので、障害者の目線からというよりも電動車いすユーザーの目線からの話が中心になります。まず、バリアフリーの話をしたいと思います

1970年代は、車いすで外出する人は珍しく電車やバスの乗車拒否、喫茶店等の入店拒否も日常茶飯事でした。

当時はヘルパーを使える環境が、まだまだ整えられていなかったので、1人で外出するに電動車いすを使う人が増えてきました。外に出るようになって駅に行ったらエレベーターなどがなく階段のみでしたので、「駅に誰もが乗れるエレベーターを求める」とか「車いすでも乗れるバスを求める」とかの運動などが起こって2000年に交通バリアフリー法につながりました。

障害者の専用とか何の専用とかと違って、障害者・高齢者・子供・ベビーカーを使っている人でも、誰でも乗れる、誰でも乗りやすいものが公共交通と考えます。それと公共交通を使っていくことが「経済活動」や「社会参加」につながります。

最後に、私たちの団体の紹介をしたいと思います。阪堺電車に車イスで乗りたいと思ったところにヨーロッパに車いすで乗れる路面電車が走っているという話を、聞いて調べていく中で、LRT(超低床路面電車システム)のことを知りました、阪堺電車にLRTを走らせればいいとの思いから活動が始まりました。私たちは各地にLRVが走ったと聞いては視察に行きました。行くたびに、思うことは、上下移動がないし、歩道から電停にフラットに行けるし、障害者・高齢者・子供・ベビーカーを使っている人など全ての人が移動しやすい交通機関であるとしみじみ感じました。ご清聴ありがとうございました。

ヴァンソン藤井・追加(シンポジウムでの発言ではありません)

フランスでは、エレベーターや駅で『障がい者用』という表現が使われなくなり、『身体の動きに制限の有る人』という表現が普通になった。つまり、健常者でも事故にあったり、ちょっとしたきっかけで、たとえ短期間でも『体に故障をきたした』状態になる・という考え方。従って、『交通弱者』という表現も使われない。できるだけ、市民を(強者と弱者、健常者と障害者)分割するような表現は避けるという配慮が感じられる。

元来バリアフリーという表現も完全な和製英語で、日本以外の国では通じない。英語でもフランス語でも「簡単なアクセス」という言い方をする。つまり、誰にとっても『アクセスが簡単』な低床車両。

バスにさっと乗って、出発しました。

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